抗モエシン抗体を用いた骨髄不全マウス作成のためのモエシンノックアウトマウスによる抗モエシンモノクローナル抗体とポリクローナル抗体の作成 これまでの報告(J Biol Chem 1999)のように、既にモエシンノックアウトマウスは作成されており、研究に必要となるモエシンノックアウトマウス受精卵を入手して繁殖を行った。モエシンノックアウトマウスと野生型マウスでは表現型は同じとされていた(J Biol Chem 1999)が、血算を調べてみたところ統計学的有意差をもってモエシンノックアウトマウスでは白血球減少や貧血が認められた。その原因については骨髄検査や血清学的検査にて精査中である。一方、免疫に使用するマウスモエシン組換え蛋白を大量に作成し、そのマウスモエシンを用いてモエシンノックアウトマウスを免役することにより、抗モエシンポリクローナル抗体を含む血清を得た。次にその血清からモエシン蛋白質固定化アフィニティーカラムを使用して抗モエシンポリクローナル抗体を精製し、その抗体価と特異性についてウエスタンブロットとELISAで確認した。さらに、モエシンを免役したモエシンノックアウトマウス由来脾臓細胞やリンパ節細胞とマウスミエローマを細胞融合させることにより作成したハイブリドーマを用いて抗モエシンモノクローナル抗体作製を試みている。また、抗モエシン抗体を得るためにモエシンノックアウトマウスをマウスモエシンで免疫したところ、白血球減少と貧血が認められた。以上からモエシンは造血に何らかの関与をもつ蛋白であると考えられた。 来年度はこの抗モエシン抗体をマウスに投与して骨髄不全が生じるか否かなどを検討していく予定である。
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