研究課題/領域番号 |
21591252
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
小川 啓恭 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80194447)
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研究分担者 |
玉置 広哉 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (70416254)
池亀 和博 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20372609)
藤岡 龍哉 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70403045)
吉原 哲 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90461037)
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キーワード | 造血幹細胞移植 / HLA不適合移植 / 移植片対宿主病 |
研究概要 |
同種造血幹細胞移植は、化学療法などの通常の治療で治癒が得られない難治性悪性血液疾患を治せる唯一の治療である。ヒト白血球抗原半合致ドナーからの移植の安全性が確立すれば、移植においてドナーの問題が解消する。厚生労働省の班研究として臨床研究を進め、2010年度は、第II相試験を遂行した。ヒト白血球抗原半合致移植の臨床研究の成果は、ハワイで開催されたBMT Tandem Meetingsで発表した。MHC半合致移植のマウスモデルにおいて、前処置の全身放射線照射の量を変えることによって、フル移植(13Gy)とミニ移植(5Gy)の2つの系を作成した。いずれの系でも、速やかにドナー由来の生着が得られた。フル移植の系では、移植後60日までに、全てのマウスがGVHDで死亡したのに対して、ミニ移植の系では、GVHDの徴候はほとんどなく、全て60日以上生存した、移植14日目の大腸の病理像を比較したところ、フル移植では、多数のドナーT細胞の浸潤とともに組織の破壊が認められたのに対して、ミニ移植では、ドナーT細胞の浸潤は少なく、病理組織学的にもほぼ正常であった。現在、その機序を解析中であるが、腸間膜リンパ節の免疫組織染色では、フル移植はミニ移植に比べて、移植早期の段階で、有意に大量のドナーT細胞がhomingし、その後急速に増殖することが判明した。さらに、フル移植では、浸潤したドナーT細胞は、CXCR3、CCR5など、炎症性chemokine receptorの発現が、ミニ移植に比べて有意に高いことが判った。また、移植早期に、ホスト由来のregulatory T細胞(Treg)が、ミニ移植の系で、腸間膜リンパ節に、有意に大量にrecruitされることが判明した。これは、早期のアロ免疫の抑制効果に寄与すると考えられた。これらのデータをまとめて、論文発表する予定である。
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