研究課題
抗リン脂質抗体症候群(APS)や全身性エリテマトーデス(SLE)の発症や様々な臨床症状と関連する遺伝的背景を遺伝子多型、特に一塩基多型(single nucleotide polymorphism, SNP)を用いて明らかにすることを目的とし、これまでの基礎的および臨床的研究に基づきAPSやSLEの発症に重要と考えられる免疫関連、血栓症関連の遺伝子解析に加えて、近年の欧米を中心としたゲノムワイドな関連解析で新たに明らかとなった疾患関連候補遺伝子につき、日本人患者集団における関連を解析した。さらには日本人におけるAPSおよびSLEの疾患感受性遺伝子を明らかにする目的に日本人APSならびにSLEのゲノム解析を他施設と協力して行った。加えて、SLEやAPSの臨床症状や検査成績による層別解析を行い、臨床症状や検査成績との関連についても検討した。具体的には、以下のとおりである。(1)ゲノムDNAの抽出を行い、APS約140名、SLE約500名の検体を収集した。同時に臨床データの収集を行い、層別化解析のための患者データベースを作成した。健常人コントロールについても同様にDNAサンプルを収集し約500名のDNAサンプルを収集した。(2)これまで欧米人で報告されてきたSLEの疾患感受性遺伝子について、日本人SLEで関連を検討した。例えばTNFAIP3の遺伝子多型は当初白人集団でSLEと関連することが報告されたが、日本人のSLEとも関連が明らかとなった。(3)疾患感受性候補遺伝子のSNP解析と並行して、理化学研究所や名古屋市立大学で行なわれた日本人集団におけるSLEやAPSのゲノムワイドなSNP解析と協力し、検体の収集ならびに臨床情報の収集を行った。
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