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2009 年度 実績報告書

BTLAによる免疫抑制機構の解明と免疫療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21591263
研究機関千葉大学

研究代表者

渡辺 紀彦  千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20375653)

研究分担者 廣瀬 晃一  千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (90400887)
中島 裕史  千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00322024)
花岡 英紀  千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (80361426)
キーワードBTLA / 副刺激分子 / 自己免疫疾患 / 免疫寛容 / NKT細胞 / 樹状細胞 / ノックアウトマウス / 自然免疫
研究概要

研究代表者らは、DNAアレイ法を用いてTh1細胞に発現する遺伝子を網羅的に解析し、新規の抑制性副刺激分子BTLAを同定した。最近、BTLAがリンパ球以外の自然免疫系の細胞にも発現することから、獲得免疫系と自然免疫系をリンクする「免疫抑制遺伝子」である可能性が浮上しており、多様なステップを介して発病するヒトの自己免疫疾患の有力な治療標的となりうることが指摘されている。しかし自然免疫系細胞におけるBTLAの役割は依然不明である。そこで本研究では、まずNKT細胞および樹状細胞活性化制御におけるBTLAの機能を解明し、自己免疫反応の諸相におけるBTLAの役割を明らかにすることを試みた。その結果、1)NKT細胞はT細胞に匹敵するレベルのBTLAを発現していること、2)BTLAは抗原刺激によるNKT細胞活性化を抑制すること、3)BTLA欠損マウスではNKT細胞依存性自己免疫疾患モデルであるconcanavalin A誘導肝炎(conA肝炎)の感受性が野生型マウスに比べ著しく上昇していること、4)BTLA/NKT細胞ダブル欠損マウスではconA肝炎の発症が完全に抑制されること、5)細胞移入実験により、NKT細胞上のBTLAがconA肝炎の抑制に必須であることを明らかにした。すなわち、BTLAは、NKT細胞の活性化抑制に関与し、肝における自己免疫応答を抑制していることが判明した。研究代表者らはマウス樹状細胞がBTLAを発現していることも見出しており、樹状細胞の関与する自己免疫応答にBTLAが重要な役割を果たしていることが示唆されている。今後は樹状細胞におけるBTLAの機能解析を進める予定である。これらの研究によりBTLAを利用して自己免疫疾患を治療する際の標的細胞を同定し、BTLA-HVEM(BTLA ligand)系を応用した新規免疫療法開発の基盤を構築する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Protective roles of B and T lymphocyte attenuator in NKT cell-mediated experimental hepatitis.2010

    • 著者名/発表者名
      Iwata A, Watanabe N, Ikeda K, Suto A, Kagami S, Hirose K, Iwamoto I, Nakajima H., (他6名)
    • 雑誌名

      J.Immunol. 184

      ページ: 127-133

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Activation-induced Accumulation of B and T Lymphocyte Attenuator at the Immunological Synapse in CD4^+ T Cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Owada T, Watanabe N, Iwamoto I, Nakajima H., (他6名)
    • 雑誌名

      J Leukoc Biol 87

      ページ: 425-432

    • 査読あり
  • [雑誌論文] c-Maf activates the promoter and enhancer of the IL-21 gene, and TGF-inhibits c-Maf-induced IL-21 production in CD4^+ T cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Hiramatsu Y, Suto A, Kagami S, Ikeda K, Hirose K, Watanabe N, Nakajima H., (他4名)
    • 雑誌名

      J Leukoc Biol 87

      ページ: 703-712

    • 査読あり
  • [学会発表] BTLAによる自己免疫応答制御2009

    • 著者名/発表者名
      渡辺紀彦
    • 学会等名
      日本アレルギー学会秋期学術大会
    • 発表場所
      秋田キャッスルホテル、秋田ビューホテル、アトリオン
    • 年月日
      2009-10-30
  • [備考]

    • URL

      http://www.m.chiba-u,jb/class/gene/project.html

  • [産業財産権] A method of identifying a compound for prevening and/or treating an autoimmune disease2010

    • 発明者名
      渡辺紀彦, 大矢佳寛
    • 権利者名
      千葉大学
    • 産業財産権番号
      特許権 12/749, 593
    • 出願年月日
      2010-03-30
    • 外国

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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