研究課題/領域番号 |
21591263
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
渡辺 紀彦 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (20375653)
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研究分担者 |
廣瀬 晃一 千葉大学, 医学部・附属病院, 助教 (90400887)
花岡 英紀 千葉大学, 医学部・附属病院, 講師 (80361426)
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キーワード | BTLA / 副刺激分子 / 自己免疫疾患 / 免疫寛容 / NKT細胞 / 樹状細胞 / ノックアウトマウス / 自然免疫 |
研究概要 |
研究代表者らは、DNAアレイ法を用いてTh1細胞に発現する遺伝子を網羅的に解析し、新規の抑制性副刺激分子BTLAを同定した。最近、BTLAがリンパ球以外の自然免疫系の細胞にも発現することから、獲得免疫系と自然免疫系をリンクする「免疫抑制遺伝子」である可能性が浮上しており、多様なステップを介して発病するヒトの自己免疫疾患の有力な治療標的となりうることが指摘されている。しかし自然免疫系細胞におけるBTLAの役割は依然不明である。そこで今年度の研究では、樹状細胞活性化制御におけるBTLAの機能を解明し、自己免疫反応の諸相におけるBTLAの役割を明らかにすることを試みた。その結果、1)樹状細胞はいずれのサブセット(骨髄球系樹状細胞、リンパ球系樹状細胞、形質細胞様樹状細胞)もBTLAを発現していること、2)BTLAは骨髄由来樹状細胞(BMDC)の活性化やサイトカイン産生を抑制すること、3)BTLA欠損マウスでは樹状細胞依存性疾患モデルであるDSS誘導腸炎の感受性が野生型マウスに比べ著しく上昇していることを明らかにした。すなわち、BTLAは樹状細胞の活性化抑制にも関与し、樹状細胞を介した免疫応答を制御していることが判明した。今後は樹状細胞におけるBTLAのシグナル伝達経路を解明する予定である。これらの研究によりBTLAを利用して自己免疫疾患を治療する際の標的細胞を同定し、BTLA-HVEM(BTLA ligand)系を応用した新規免疫療法開発の基盤を構築する。
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