関節リウマチ(RA)の発症に関わる遺伝子多型は多数報告されているが、重症度や治療反応性に関わる遺伝子多型はわずかの報告しかない。我々は最近1001例のRA患者の全ゲノムにわたる30万から61万個の一塩基多型(single nucleotide polymorphism: SNP)のタイピングを遂行した。このゲノムデータに臨床像を加味したサブ解析を行い、重症度に関わる遺伝子多型や治療反応性(特に生物学的製剤に対する反応性)に関わる遺伝子多型を検索することが本研究の目的である。 本年度、まずは生物学的製剤への反応性に関わる遺伝子を検索するため、まずは京都大学のサンプルでDNAをすでに採取済みの500例の中から生物学的製剤使用患者を選び出した。134例が生物学的製剤を使用し、そのうち104例が治療反応性の評価が可能であった。このうちすでに全ゲノムタイピングが終了している患者がそれぞれ82例、71例みられた。症例数が少ないため、すでにタイピングの終わっている症例の協力病院の臨床データを現在収集中である。また、生物学的製剤使用したが、まだタイピングのされていない検体を現在、新たに全ゲノムタイピングを行っている。症例数が200を越えた時点で関連解析を行い、候補遺伝子をみつけ、別のコホートで確認を行っていく予定である。重症度に関わる遺伝子検索も同様に、現在最重症型RAと軽症型RAの症例を増やしているところである。
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