研究概要 |
1.HDAC阻害剤の免疫調節作用の研究 (1)関節炎モデルとしてSKGマウスを準備した。このモデルにHDAC阻害剤(trichostatin A、TSA)を皮下投与した。発症前に投与し、関節点数や組織にて評価評価したところ、TS投与は関節炎の発症をほぼ完全に抑制した。発症後に投与したところ、関節炎の進展を完全に抑えた。 (2)脾の樹状細胞の機能を検討したところ、TSA投与群では、脾臓のCD8陽性樹状細胞においてCD40, CD86の発現が優位に低下していた。さらにリンパ節のT細胞分画(Th17、Treg)を検討したところ、Th17細胞が低下し、Treg細胞がふえるということが明らかとなった (3)ザイモサン刺激は樹状細胞からのサイトカイン分泌を刺激するが、TSAを共存させると、IL-6やIL-12の産生が低下することが明らかとなった。さらに、IDOの発現を増やし、T細胞の刺激脳を低下させることが明らかとなった。 (4)以上より、TSAは関節炎に抑制効果を持ち、その一部は樹状細胞抑制を介していると思われた。 2.HDAC修飾樹状細胞をの確立 (1)マウス大腿骨骨髄細胞、GM-CSF存在下で樹状細胞を導くことに成功した。HDAC阻害剤存在下で誘導すると、CD40やIL-6が低下していた。
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