ζ遺伝子exon8の3'UTR内にある31塩基のCS1を欠損(ΔCS1)させたarmを作製し5'側の相同領域とするデザインとした。5'相同領域を3.5~4.5kbとし、3'相同領域を5~8kbでターゲッティングベクターを設計し構築した。その後ターゲッティングベクターがデザイン通りかどうか確認するために、制限酵素処理後電気泳動を行った。ターゲティングベクターを制限酵素NotIにて線状化した後、精製を行った。次にプラスミドDNAおよびBALB/c系統のES細胞を使用し、エレクトロポレーションを行った。ターゲティングベクター導入後、48時間培養し、培地にG418及びガンサイクロビルを添加した。薬剤による選択培養を6目間行い、薬剤耐性ES細胞を作製した。得られた薬剤耐性ESクローン440個をピックアップした。そして次に、相同的遺伝子組換えのおこったES細胞株を選別し、8細胞期胚又は胚盤胞期胚の中に、その組換えES細胞を、インジェクション法により注入し、相同組み換えクローンを用いて、アグリゲーション法、及び、インジェクション法によるキメラマウス作製を行った。なお、キメラ率は、体全体の黒色以外の毛色の率を目視によって判定した。キメラ胚を作製した。次に、そのキメラ胚を偽妊娠マウスの子宮に移植し、産仔(キメラマウス)を得ることができた。さらに、作製したキメラマウスと野生型マウスを交配し、F1マウスを得て、生殖細胞が組換えES細胞由来の細胞により形成されているかどうかを確認した。
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