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2011 年度 実績報告書

関節リウマチの病態を促進する単球と抑制する単球の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21591270
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

瀬田 範行  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (40338372)

研究分担者 桑名 正隆  慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (50245479)
キーワード末梢血単球 / 関節リウマチ / 多分化能 / リウマチ学 / 免疫学
研究概要

申請者は「末梢血CD14^+単球中には関節破壊を促進する悪玉単球と関節の修復に関わる善玉単球が存在する」という仮説を着想した。この仮説を立証するために末梢血中に存在する悪玉単球と善玉単球の数的および質的違いを解析して、RA病態における末梢血単球の役割を明確にすることを本研究の目的として本研究を始動した。そこで、平成23年度は関節リウマチ(RA)の病態に関わるCD14^+単球の新たな細胞集団を探究するためにRA患者7例の腸骨骨髄と末梢血、健常人6例の末梢血を用いてCD14^+単球におけるCD15、CD29、CD31、CD34、CD144、CCR1、CCR2、CCR4、CCR5、CCR6、CXCR3、CXCR4、VEGFR1の発現をフローサイトメトリーで解析した。RA腸骨骨髄中にはCD15^+単球が多数存在し、CD15^-単球と比べてCD34とCCR5を高発現していた(p=0.0002)。また、健常人とRA患者のいずれの末梢血中にもCD15^+単球が存在したが、RA末梢血CD15^+単球は健常人末梢血CD15^+単球よりCD34とCCR5の発現が高い傾向にあった。一方、これまでの検討で末梢血CXCR4^<high>単球中に骨芽細胞や軟骨芽細胞への分化能を有する単球由来多能性細胞の前駆細胞が存在することが判明している。また、平成21年度の研究成果から末梢血単球のCXCR4の発現は健常人よりRA患者で低く、活動性が高いRA患者ほど低いことも判明していることより、RA患者では活動性の上昇に伴い骨や軟骨の修復能が低下している可能性が示唆されている。今回の検討では末梢血単球においてCD15とCXCR4は互いに相反する発現パターンを示し、CD15^+単球と単球由来多能性細胞の前駆細胞は異なる細胞集団と考えられた。以上より、RA患者腸骨に存在するCD15^+(CD34^+)単球は関節破壊に関わる単球で、骨芽細胞や軟骨芽細胞への分化能を有する単球由来多能性細胞の前駆細胞を含むCD14^+CXCR4^<high>細胞は関節修復に関わる単球である可能性が示された。活動期RAでは、これら2つの単球サブセットがCD15^+(CD34^+)単球に偏奇することで病態に関わる可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Potential Involvement of Human Circulating CD14^+ Monocytes in Tissue Repair and Regeneration2012

    • 著者名/発表者名
      Seta N, Kuwana M
    • 雑誌名

      Inflammation and Regeneration

      巻: VOL.32 ページ: 1-7

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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