研究課題
我々は、前年度SLE患者血清300例、RA患者血清200例、強皮症患者血清60例、SjS患者血清100例などを対象とし、我々がクローニンしたPA28γ(Ki)およびPA28αのcDNAを用いて作成したリコンビナント蛋白、および精製20Sプロテアソームを抗原源とした免疫プロット法にてプロテアソームに対する免疫応答を解析し、PA28γ(Ki)に対する抗体は主として全身性エリテマトーデス(SLE),PA28αに対する抗体は主としてシェーグレン症候群(SjS)に検出されることを明らかにした(Matsushita M, et al : Mod Rheumatol 19:622-628, 2009)。さらに、プロテアソームとの結合が確認されている自己抗原、60KDおよび52KDSS-A抗原、PCNAに対する抗体は免疫プロット法、一方、プロテアソームとの結合を認めないU1 RNP、Smなどの抗原に対する免疫応答の連鎖について解析した結果、一連のプロテアソーム構成蛋白間およびそれらの結合蛋白に対する免疫応答の間には有意な相関を認めるものの、非結合蛋白に対する免疫応答の間には有意な相関が認められないことも明らかにした。本年度は流血中のプロテアソームと一連の結合蛋白に対する免疫応答を解析するために抗PA28γ(Ki)モノクローナル抗体とそれと異なるエピトープを認識する高い特異性を有するSLE患者由来の抗Ki抗体を用いたサンドイッチ式ELISA法の開発を試み、Ki抗原と特異的に反応する抗PA28γ(Ki)抗体モノクローナルの確立に成功した。この抗体の特性を検討した結果、自己抗体の認識するエピトープと異なっていることが明らかにされ、上述の抗原測定系を確立した。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)
Biochem Biophys Res Commun
巻: 94 ページ: 804-810
Arthritis Res Ther
巻: 12 ページ: R92(1-11)
Rheumatology
巻: 69 ページ: 936-937