研究課題
膠原病、リウマチ性疾患は、多彩な自己抗体の産生と多臓器障害を特徴とするが、中でも全身性エリテマトーデス(SLE)は、その病態形成に自己のDNAあるいはRNAに対する自己抗体が関与する。Toll-like receptor(TLR)は、自然免疫をはじめとして様々な疾患との関与が知られているが、膠原病、リウマチ性疾患においてもTLRの関与が強く疑われている。SLEのモデルマウスであるBXSBマウスにおいて、疾患を促進させるYaa(Y-linked autoimmune acceleration)遺伝子変異は、Pisitkunら(2006 Science)とSubramanianら(2006 Proc Natl Acad Sci USA)の研究により、本来X染色体上に存在するtlr7, tlr8をはじめとする十数個の遺伝子を含む領域がY染色体上に転座し、維持されてきたものであることが明らかにされ、その重要性が示された。我々は、SLE患者のB細胞におけるTLR7,8,9の発現についてフローサイトメトリー及びmRNAで解析した。SLE患者末梢血のB細胞細胞内においては、TLR7、TLR8及びTLR9は有意に発現が亢進していていることをつきとめた。TLRあるいはそのシグナル伝達の異常により、膠原病リウマチ性疾患における病態の増悪や発症に深く関与している可能性が考えられる。
すべて 2010
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