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2011 年度 実績報告書

SLEにおける性染色体に発現するToll様受容体を介した免疫異常

研究課題

研究課題/領域番号 21591272
研究機関順天堂大学

研究代表者

天野 浩文  順天堂大学, 医学部, 准教授 (50318474)

キーワード全身性エリテマトーデス / Toll様受容体 / BXSBマウス / Yaa遺伝子 / Fc_Yレセプター
研究概要

膠原病、リウマチ性疾患は、多彩な自己抗体の産生と多臓器障害を特徴とするが、中でも全身性エリテマトーデス(SLE)は、その病態形成に自己のDNAあるいはRNAに対する自己抗体が関与する。
Toll-likere ceptor(TLR)は、自然免疫をはじめとして様々な疾患との関与が知られているが、膠原病、リウマチ性疾患においてもTLRの関与が強く疑われている。SLEのモデルマウスであるBXSBマウスにおいて、疾患を促進させるYaa(Y-linked autoimmune acceleration)遺伝子変異は、本来X染色体上に存在するtlr7,tlr8をはじめとする十数個の遺伝子を含む領域がY染色体上に転座し、維持されてきたものであることが明らかにされその重要性が示された。一方、IgG Fcレセプター(FcyR)はIgG免疫複合体を認識し、エフェクター細胞の活性化あるいは抑制を行うことで生体防御系を調節する重要な分子群である。中でもFcyRIIBはB細胞の活性化を負にフィードバックする重要な免疫制御分子である。C57BL/6マウスでこのFcyRIIBを欠損させた際には関節リウマチに類似した関節炎を発症する(Sato-HayashizakiらArthritis Rheum2010)が、我々はこのマウスにYaa遺伝子を導入した際には関節リウマチではなく、SLEに類似した腎症をおこしたことをつきとめ、TLR7の重複が疾患特異性をも変化させうる現象を確認しており、論文報告準備中である。さらに我々は、ヒトSLE患者においても解析を行った。SLE患者末梢血におけるTLR7,8,9の発現についてフローサイトメトリー及びmRNAで解析した。患者末梢血のB細胞細胞内においては、TLR7及びTLR9は有意に発現が亢進していていることをつきとめた。TLRあるいはそのシグナルの異常により、膠原病リウマチ性疾患における病態の増悪や発症、さらには疾患特異性に深く関与している可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Elevated serum level of circulating syndecan-1 (CD138) in active systemic lupus erythematosus2011

    • 著者名/発表者名
      Minowa K, et al
    • 雑誌名

      Autoimmunity

      巻: 44 ページ: 357-362

    • DOI

      PMID:21320038

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Single-center, retrospective analysis of efficacy and safety of tacrolimus as a second-line DMARD in combination therapy and the risk factors contributing to adverse events in 115 patients with rheumatoid arthritis2011

    • 著者名/発表者名
      Ogasawara, et al
    • 雑誌名

      Clin Rheumatol

      巻: 31 ページ: 251-257

    • DOI

      PMID:21773713

    • 査読あり
  • [学会発表] 全身性エリテマトーデス剖検80例における病理所見と臨床経過に関する検討2011

    • 著者名/発表者名
      今高之、山路健、杉本郁、宮下知子、小笠原倫大、建部一夫、天野浩文、津田裕士、橋本博史、高崎芳成
    • 学会等名
      第26回日本臨床リウマチ学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20111203-04
  • [学会発表] 成人still病の治療法についての検討2011

    • 著者名/発表者名
      渡邉崇, 他
    • 学会等名
      第55回日本リウマチ学会総会・学術集会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20110717-20110720
  • [学会発表] FTY720治療後のBXSBマウス腎炎における腎臓局所サイトカイン・ケモカインの発現の変化2011

    • 著者名/発表者名
      安藤誠一郎、天野浩文、天野恵理、箕輪健太郎、渡邉崇、仲野総一郎、森本真司、戸叶嘉明、林青順、侯蓉、大辻希樹、広瀬幸子、高崎芳成
    • 学会等名
      第55回日本リウマチ学会総会・学術集会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20110717-20
  • [学会発表] 活動期SLE患者において血清中sCD138は高値を示す2011

    • 著者名/発表者名
      箕輪健太郎、天野浩文、仲野総一郎、安藤誠一郎、渡邉崇、名切裕、天野恵理、戸叶嘉明、森本真司、高崎芳成
    • 学会等名
      第55回日本リウマチ学会総会・学術集会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20110717-20
  • [学会発表] 当科におけるループス腎炎V型の治療と予後の検討2011

    • 著者名/発表者名
      森本真司、仲野総一郎、渡邉崇、天野浩文、高崎芳成
    • 学会等名
      第55回日本リウマチ学会総会・学術集会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      20110717-20
  • [学会発表] Yaa-Mutation induces phenotype shift from rheumatoid arthritis to systemic lupus enythematosus in FcgRIIB-deficient B6 mice2011

    • 著者名/発表者名
      Amano H, 他
    • 学会等名
      The 75^<th> National Meeting of American College of Rheumatology
    • 発表場所
      USA, Chicago
    • 年月日
      2011-11-05
  • [学会発表] SLEとB細胞異常2011

    • 著者名/発表者名
      天野浩文
    • 学会等名
      免疫疾患学会連合2011(日本臨床免疫学会総会)
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-09-16

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公開日: 2013-06-26  

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