プロテオミクスを用いて抗血管内皮細胞抗体(anti-endothelial cell antibodies : AECA)の対応抗原候補蛋白を検出・同定したところ、日本人大型血管炎患者と米国人大型血管炎患者では大きく異なっていた。AECAの対応抗原であるPeroxiredoxin2(Prx2)とPPIA cyclophilin A(PPIA)に対する自己抗体陽性率を高安動脈炎患者で評価したところ、日本人では85%以上であったが米国人では15%以下であった。プロテオミクスで巨細胞性動脈炎患者血清を用いて大動脈血管内皮細胞に特異的なAECAの対応抗原候補蛋白を9個、巨細胞性動脈炎に特異的なAECAの対応抗原候補蛋白を22個同定した。一方米国人高安動脈炎患者血清では、大動脈血管内皮細胞に特異的なスポットを15個検出し、米国人高安動脈炎に特異的なスポットを4個検出した。本研究よりAECAの対応抗原における人種別評価の重要性が示唆された。
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