研究課題
クローン病モデルマウス:クローン病モデルマウスに関して、これまでの検討により、TNFα阻害療法とIL-6阻害療法の比較を行い、その治療効果および作用機序の違いについて明らかにした。最近、新たな生物学的製剤としてCTLA4-Tg(abatacept)が実用化されているが、その作用機序の特性はこれまで十分検討されていない。本年度においては、製剤間の作用の差異をより明確にするためクローン病モデルマウスのCTLA4-Tgによる治療実験を行った。本モデルに対するCTLA4-Tgの予防的投与は、TNFα阻害療法とIL-6阻害療法とほぼ同等の効果を発揮し、腸炎および体重減少を抑制した。またCTLA4-Tgの予防的投与は、著明なるヘルパーT細胞増殖抑制効果を示し、CTLA4-TgがヘルパーT細胞を標的としていることが明らかとなった。本製剤は、TNFα阻害療法と同様に治療的投与によっても効果を示したが、ヘルパーT細胞への作用やサイトカイン産生などへの作用については、両者の間に明らかな違いが見られており、作用機序の違いを反映しているものと考えられる。現在その詳細な機序を解明している。顕微鏡的多発血管炎(MPA)モデルマウス:本年度においては、オプションとして想定していた別手法による疾患誘導プロトコールにより、MPO欠損マウスに対してあらかじめMPO蛋白による免疫を試み、免疫後のMPO欠損マウスより調整したリンパ球を採取し、リンパ球欠損マウス(rag2欠損マウス)へとトランスファーすることで疾患誘導を試みた。血管炎によると考えられる体重変化や尿所見の変化が得られており、さらなる疾患誘導および治療プロトコールの最適化を図っている。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (10件)
Inflamm Bowel Dis
巻: (in press)
Doi:10.1002/ibd.22936
Pigment Cell Melanoma Res
巻: 25(2) ページ: 219-230
Doi:10.1111/j.1755-148X.2011.00945.x
Am J Pathol
巻: 180(1) ページ: 165-176
Doi:10.1016/j.ajpath.2011.09.013
Experimental Dermatology
巻: 21(5) ページ: 331-336
10.1111/j.1600-0625.2012.01454.x
臨床免疫・アレルギー科
巻: 57(1) ページ: 79-86
Int J Cancer
Doi:10.1002/ijc.27350
Cardiovasc Res
巻: 91(4) ページ: 640-8