研究概要 |
1.TLR4刺激による気管支喘息抑制効果の免疫学的機序の解明 (1)刺激型抗TLR4抗体(UT12)を投与したマウスはLPSトレランス状態になっており、トレランスの程度はUT12による気道過敏性抑制の程度と相関していた。このとき、樹状細胞の抗原提示関連分子発現が抑制されており、その結果、CD4^+T細胞の抗原感作が抑制され、気管支喘息の発症が抑えられると考えられた。これは、TLR4刺激が気管支喘息を抑制する機構としてLPSトレランスが関与していることを新規に解明したものであり、気管支喘息の予防治療戦略において非常に重要な知見を加えるものである。この結果を学術雑誌に発表した。(Matsushita, H. et al., Int.Immunol.22:739-747,2010) 2.UT12の乳児期投与による気管支喘息発症抑制系の解析 本研究期間内には解析を行わなかった。 3.刺激型抗ヒトTLR4モノクローナル抗体の作製とその効果の解析 ヒトTLR4分子を発現する安定発現細胞株を作製し、TLR4ノックアウトマウスに免疫して、細胞に刺激を入れる抗体をスクリーニングしたところ、4種類のモノクローナル抗体が得られた。次年度は、まずこれらのモノクローナル抗体による刺激がTLR4を介しているかどうか確認し、引き続きヒト細胞を用いた刺激実験を行う予定である。 2.については次年度も引き続き研究解析を行っていく。
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