• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

イオンチャンネルを介した気管支喘息発症機序の解明と創薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21591284
研究機関佐賀大学

研究代表者

鈴木 章一  佐賀大学, 医学部, 助教 (40253695)

研究分担者 出原 賢治  佐賀大学, 医学部, 教授 (00270463)
キーワードイオンチャンネル / ラクトペルオキシダーゼ / ペンドリン / 気管支喘息 / チオシアネート / ヒポチオシアン酸 / 慢性閉塞性肺疾患
研究概要

気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患の病態形成における陰イオンチャンネル「ペンドリン」の役割を明らかにするために、今年度も引き続きペンドリンによって気道管腔側に輸送されるチオシアネートイオン、並びにこのイオンと過酸化水素から、気道管腔に存在するラクトペルオキシダーゼの酵素反応によりに産生される「ヒポチオシアン酸」に着目した。既に、気道上皮細胞に対して、ヒポチオシアン酸はNF-kBを活性しIL-8等の炎症性サイトカインの遺伝子発現を誘導することを見いだしたが、今年度はヒポチオシアン酸によるNF-kBの活性機構を中心に解析した。ヒト気道上皮細胞株(NCI-H292細胞)の核抽出液を用いたgel shift assayによりヒポチオシアン酸により活性化されるNF-kBの構成因子を調べたところ、p52、p65-c-Rel及びRel-Bは検出されず、p50のみ検出され、ヒポチオシアン酸により活性化されるNF-kBはp50のホモダイマーから構成されていることがわかった。p50は転写活性化ドメインを保有していないので、ヒポチオシアン酸は転写活性化ドメインを有する他の因子をも同時に活性化しこれがp50と複合体を形成して炎症性サイトカインの遺伝子が誘導されると考えられた。またH292細胞をヒポチオシアン酸処理し、細胞内レドックスの状態を調べたところ、還元型グルタチオンの量が顕著に減少し、酸化型グルタチオンの量が増加していたので、ヒポチオシアン酸によるレドックス変化がNF-kBの活性化に関わると考えられた。しかし過酸化水素によりH292細胞の細胞内レドックスをヒポチオシアン酸刺激時と同様な状態へ変化させてもNF-kBは活性化されなかった。この結果からヒポチオシアン酸は単に細胞内レドックスを変化させるだけではなく、この酸に特有の作用機構が存在し、これによりNF-kBが活性化される可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Pendrin function in airway epithelia2011

    • 著者名/発表者名
      Nofziger C, Dossena S, Suzuki S, Izuhar K
    • 雑誌名

      Cellar Physiology and Biochemistry

      巻: 28 ページ: 571-578

    • DOI

      10.1159/000335115

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.biomol.med.saga-u.ac.jp/medbiochem/publications.html

  • [産業財産権] 気管支喘息の予防又は治療薬及びそのスクリーニング方法2012

    • 発明者名
      出原賢治、太田昭一郎、白石裕士、有馬和彦、鈴木章一
    • 権利者名
      佐賀大学
    • 産業財産権番号
      特願、2012-011838
    • 出願年月日
      2012-01-24

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi