研究課題/領域番号 |
21591289
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 量基 関西医科大学, 医学部, 講師 (70434826)
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研究分担者 |
福原 資郎 関西医科大学, 医学部, 教授 (40142301)
稲葉 宗夫 関西医科大学, 医学部, 准教授 (70115947)
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キーワード | OX40リガンド / Dendritic cell / アレルギー / 自己免疫疾患 / IL-10 / IL-33 / Th17 |
研究概要 |
現在、TNF-α、IL-6、CD20、CTLA4など炎症性サイトカインや分子が、生物学的製剤のターゲットとして難治性炎症性疾患の治療戦略に導入され、その有用性が認められている。それらと肩を並べる存在として、炎症誘導分子であるOX40リガンドに本申請では着目し、この分子の持つ炎症応答誘導能を、ヒト細胞(樹状細胞ならびにT細胞)を用いたin vitroの実験系と、モデルマウスを用いたin vivoにおける系で検討した。 アレルギーにはTSLPやIL-33といった上皮細胞由来のサイトカインがそのトリガーとして重要であり、TSLPによってOX40リガンドが樹状細胞に誘導されることは既知であるが、まずは、初年度にはアレルギーにおける機能解析をIL-4±IL-33添加によるTh2誘導培養下におけるin vitro機能を検討した。IL-4やIL-33によって誘導されるTh2免疫応答がOX40リガンドにより増長されるを、ヒトOX40 ligand遺伝子導入fibroblast細胞と、純化したヒトナイーブCD4ヘルパーT細胞による培養実験で検討したところ、IL-33+OX40リガンドで、IL-5/IL-13産生T細胞誘導能が増強、IL-4+OX40リガンドで、IL-4/IL-5/IL-13産生T細胞誘導能が増強し、アレルギー性炎症に貢献する機能を持つことを明らかにした。さらに、TGF-βによるFOXP3陽性Treg誘導培養下においてOX40リガンドは細胞内CTLA4とFOXP3の発現を抑制することを同定した。いずれのin vitro培養においてもOX40リガンドはT細胞からのIL-10産生を抑制した。また、ヒトにおけるin vitro Th17誘導系をIL-1β+IL-6+IL-21+IL-23+TGF-βを用いたサイトカインコンビネーションで確立し、現在OX40リガンドによる培養実験を進行中である。 一方、NC/Nga mouse(アトピー性皮膚炎)、NZBおよびMRL/lpr mouse(SLE)のモデルマウスに対し、血清のsOX40リガンドならびにサイトカインを測定中である。また、フロサイトメトリーにより、各マウスの脾細胞(cDC、pDC、CD4陽性T細胞)を同定し、経時的にOX40リガンドの発現を解析中である。この結果は現在も進行中であり、これらの結果によりin vivoにおけるOX40リガンドの炎症病態における関与が明らかとなると思われる。
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