研究課題
本研究の目的は本邦において、臨床的に問題となっているペニシリン耐性肺炎球菌を含めた肺炎球菌が人気道上皮細胞上にバイオフィルムを産生し、耐性化の一因となっているかどうかを明らかにし、かつ治療戦略をたてることである。薬剤感受性株、多剤耐性株及びATCC49619株を対象とし、ペニシリン耐性、マクロライド耐性及びキノロン耐性遺伝子の特徴を調べた結果、多剤耐性株は遺伝子の変異箇所が薬剤感受性株に比べ多かった。また、Microtiter biofilm assay(24時間培養)による検討では、薬剤感受性株0.3705,多剤耐性株2.1325, ATCC49619株1.9635と薬剤感受性株に比べ、多剤耐性株によるバイオフィルム産生度が有意的に高かった。今後、共焦点顕微鏡、電子顕微鏡やcontinuous flow cell chamberなど方法による観察を行い、更に肺炎球菌の血清型別によるバイオフィルム産生の変化を確認し、より詳細に解析する予定である。また、各薬剤耐性遺伝子はバイオフィルム産生に関与する可能性が示唆されているが、今後、該当遺伝子はバイオフィルム産生に影響する可能な関連因子として検討していく予定である。
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