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2009 年度 実績報告書

アンジェルマン及びプラダー・ウイリー症候群の中枢神経機能障害の成因に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21591306
研究機関北海道大学

研究代表者

齋藤 伸治  北海道大学, 大学病院, 講師 (00281824)

研究分担者 白石 秀明  北海道大学, 大学病院, 助教 (80374411)
キーワードAngelmen症候群 / Prader-Willi症候群 / 精神遅滞 / てんかん / ゲノム刷り込み現象
研究概要

平成21年度はPWSとASとの体系的な遺伝学的解析を更に発展させ、臨床的にPWSやASが疑われたが、遺伝学的に診断に至らなかった例の解析を行った。これまでにPWSやASと似ていると報告された候補遺伝子解析としてPWSについては14番染色体片親性ダイソミー解析、ASについてはSLC9A6遺伝子解析を行った。その結果、6例の14番染色体母性片親性ダイソミーをPWS様表現型のなかに同定し、SLC9A6遺伝子変異を1例AS様表現型のなかに同定した。さらに、網羅的解析としてオリゴアレイ解析を行い、複数の染色体微細欠失・重複症例を同定し、解析中である。これらの結果はPWSやASの表現型に関与する遺伝子や染色体領域を明らかにすることにより、発症機構の解明に寄与すると考えている。
中枢神経機能解析としては、新たに脳磁図による周波数解析の手法を確立し、てんかん患者においてその有用性を明らかにした。周波数解析によりこれまで解析できなかった、発作間欠時脳波や発作時脳波の解析が可能となり、ASにおけるてんかんの発症機構を解析するための基礎データを得ることができた。
さらに、ASにおける感覚誘発電位解析を推進し、ASにおける感覚誘発磁場波形の以上は皮質における反応の障害であることを明らかにした。最近、ASにおける中枢神経障害の基盤がグルタミン酸興奮系の障害を介した、経験依存性シナプス形成障害であることが報告されている。私たちのこれまでの解析ではGABA抑制系の関与が重要である所見を得ている。したがって、この皮質反応の障害の基盤がGABA系にあるのか、それともグルタミン酸興奮系にあるのかを今後追求して行く予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Maternal uniparental disomy 14 syndrome demonstrates Prader-Willi syndrome-like phenotype2009

    • 著者名/発表者名
      Hosoki K., et al.
    • 雑誌名

      Journal of Pediatrics 155

      ページ: 900-903

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A de novo direct duplication of 16q22.1→q23.1 in a boy with midface hypoplasia and mental retardation2009

    • 著者名/発表者名
      Tokutomi T., et al.
    • 雑誌名

      Am J Med Genet A 149A

      ページ: 2560-2563

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mutations of FHL1 gene cause Emery-Dreifuss muscular dystrophy2009

    • 著者名/発表者名
      Gueneau L., et al.
    • 雑誌名

      Am J Hum Genet 85

      ページ: 338-353

    • 査読あり
  • [学会発表] A novel SLC9A6 gene mutation in a Japanese patient resembling Angelman syndrome.2009

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Y., et al.
    • 学会等名
      59th Annual Meeting of American Society of Human Genetics
    • 発表場所
      Honolulu, USA
    • 年月日
      20091021-20091024
  • [学会発表] プラダー・ウィリー症候群様表現型を呈した微細染色体異常2009

    • 著者名/発表者名
      細木華奈、太田亨、沼部博直、高田史男、塩見正司、新川詔夫、齋藤伸治
    • 学会等名
      第54回日本人類遺伝学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-09-25
  • [学会発表] 日本人Angelman症候群の分子遺伝学的および臨床的解析2009

    • 著者名/発表者名
      細木華奈、齋藤伸治
    • 学会等名
      第16回遺伝子診療学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2009-07-31
  • [学会発表] SLC9A6変異はアンジェルマン症候群の表現型を示すX連鎖精神遅滞である2009

    • 著者名/発表者名
      高橋有美、斎藤加代子、伊藤智城、柳生一自、朝比奈直子、白石秀明、齋藤伸治
    • 学会等名
      第51回日本小児神経学会総会
    • 発表場所
      米子
    • 年月日
      2009-05-28

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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