研究概要 |
Charcot-Marie-Tooth(CMT)病は有病者が2500人に1人と,最も頻度の高い遺伝性ニューロパチーである.現在までに,27以上の病因遺伝子が明らかにされている.私達はCMT病の病態を解明するために,多数の症例を解析してきた.しかし,欧米人と異なり,日本人CMT病では,約半数の病因遺伝子が不明であり,新規病因遺伝子の解明が待たれる. 対象は,両親に血族婚(またいとこ)があり,両親および同胞2人は健康,罹患者が2名存在する軸索型CMT病の1家系である.ほぼ全ての既報の遺伝子について,DHPLC法やMLPA法を用いてスクリーニングし,変異が検出されなかった.方法としては,genome-wide SNP microarray technology(Ilumina社)を用いた連鎖解析と次世代sequencerを用いた. Genome-wide SNP microarray technologyにより12番染色体長腕に連鎖していることが確認された,次世代sequencerを用いて,連鎖部位のほぼ全ての遺伝子の配列を決定し,一部はPCR法により直接塩基配列を決定したが,遺伝子変異は確認されなかった.他の連鎖部位を含め,全てのエクソンの配列を決定する予定である. 日本人におけるCMT病では、多くの症例について病因遺伝子が特定されておらず、スクリーニング法の改善をはかるとともに、次世代sequencerなどを用いた遺伝子解析が必要と考える.
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