研究課題/領域番号 |
21591315
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
大山 建司 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (80051861)
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研究分担者 |
山野 好章 鳥取大学, 農学部, 教授 (00182593)
太田 正法 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (80233146)
佐野 友昭 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (80447705)
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キーワード | 精子形成 / 下垂体摘出 / NYD-sp 14 / gonadotropin / testosterone / 癌精巣抗原 |
研究概要 |
本研究は、精子形成期に特異的に発現している遺伝子の特定と発現時期、発現部位を検討し、さらにこれらの遺伝子が精子形成障害に関与しているか否かを明らかにすることを目的としている。この研究の中である種の癌抗原遺伝子が精巣でのみ特異的に発現していることが明らかとなった。精巣癌はきわめて稀であり、精巣内では正常に機能している遺伝子が癌組織で発現している事は、癌発生・進行の機構を解明する上で興味深い。これらは癌精巣抗原と総称され、癌の免疫療法への応用の研究が行われているが、精巣内での機能はほとんど明らかになっていない。 22年度は、結腸癌抗原遺伝子(CCA8)の精巣発現を下垂体摘出ラットにhCG、hFSHを投与して、ゴナドトロピンの関与を検討した。CCA8のペプチドを合成し、免疫染色により精巣内の蛋白発現を検討した。「結果」CCA8 mRNAは精母細胞に特異的に発現し、CCA8蛋白は精母細胞と精子細胞に発現を認めた。この遺伝子は細胞増殖に関与している可能性があると推測している。下垂体摘出ラットへのゴナドトロピン投与では,hCG-Testosteroneには依存せず、FSH投与により発現が増加した。以上の結果から、CCA8発現にはセルトリ細胞が関与している可能性がある。この遺伝子の癌細胞での機能は不明だが、精細管内で減数分裂期に特異的に発現していること、セルトリ細胞が発現に関与していることから、精子細胞の分裂・増加に関与している可能性が高く、癌組織においても細胞増殖に関与していると推測している。現在ヒト癌組織での機能を解析している。
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