研究課題/領域番号 |
21591326
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉良 龍太郎 九州大学, 大学病院, 特別教員 (70304805)
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研究分担者 |
鳥巣 浩幸 九州大学, 大学病院, 助教 (10398076)
實藤 雅文 九州大学, 大学病院, 助教 (50467940)
石崎 義人 九州大学, 大学病院, 助教 (20572944)
李 守永 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (10529796)
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キーワード | 急性散在性脳脊髄炎 / 多発性硬化症 / 小児 / 診断 / マーカー / 病因 / 病態 |
研究概要 |
小児多発性硬化症(MS)とその類縁疾患である急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、clinically isolated syndrome (CIS)等についてIPMSSG(2007)の疾患定義に基づいて行った全国調査のデータをもとに、本研究では集積した症例の臨床情報を解析した。またインフォームドコンセントを得た上で血液、尿、髄液を採取し保存した検体を用いて解析を行った。(研究1)小児MSの病態;日本人小児MS患者は、日本人成人に比べ、視力低下を示す割合が高い傾向にあり、横断性脊髄炎徴候は低かった。また頭部MRIで脳室周囲病変を示す患者の割合は低く、皮質下白質病変は高かった。海外小児MS患者と比べると、けいれん、視力低下で割合が高く、頭部MRIで脳室周囲病変の割合が低かった。また、日本人小児MS患者のBarkhof基準陽性率は33.3%と低く、日本人成人MS患者の陽性率同様海外小児MS患者、海外成人MS患者より低くなっていた。これらの成人MS、海外小児MSとの違いは、脳の未熟性や、遺伝・環境要因による違いを示している可能性があり、今後各要因とMS病態との関連が明らかになることが期待される。(研究2)ADEM発症に関わる遺伝子の検討;ADEMで抗体陽性率が高いとされているmyelin oigodendrocyte glycoprotein (MOG)ならびにその関連蛋白であるmyelin associated glycoproteinについて遺伝子多型解析を行った。その結果、ADEM(39例)と対照との間に有意差は認めなかった。
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