研究概要 |
本年度は臍帯からヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)の単離培養と、TNF-αのHUVECのタイトジャンクションを構成する蛋白(ZO-1、Claudin-4、Claudin-5、Claudin-12、Occuludin)発現への影響についてm-RNAレベル、蛋白レベルで検討した。タイトジャンクションは血管透過性に関与する蛋白である。 1.HUVECの単離培養。 22年度は本研究への協力の同意が得られた23件のHUVEC単離を行った。 2.10%FCS含培地でのTNF-αのHUVECにおけるタイトジャンクション蛋白m-RNA発現への影響。 TNF-α(1,10pg/ml)を培養液に添加し、HUVECのタイトジャンクション蛋白の経時的変化(time 0,0.5,4,6,8,24時間)をリアルタイムRT-PCRを用いm-RNAレベルで検討した。Claudin-12以外のタイトジャンクション蛋白はTNF-α添加後4時間に発現のピークが認められた。いかなる条件でもtime 0に比較し発現の低下は認められなかった。 3.2%FCS含培地でのTNF-αのHUVECにおけるClaudin-5、Occuludin発現への影響。 TNF-α(0.1,1,10pg/ml)を培養液に添加し、HUVECのClaudin-5、Occuludinの経時的変化(6,12,24時間)をウェスタンブロットで検討した。両蛋白共に添加後6時間では発現に変化は認められなかったが、添加後12時間では、Claudin-5は濃度依存的に発現の低下が認められた。添加後24時間では、両蛋白共に濃度依存的に発現の低下が認められた。
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