研究課題/領域番号 |
21591333
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
衞藤 義勝 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50056909)
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研究分担者 |
小林 博司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90266619)
小林 正久 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20312019)
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キーワード | ポンペ病 / 酵素補充療法 / 抗体 / 抗CD3抗体 / アナフィラキシー |
研究概要 |
平成22年度も引き続きポンペ病の酵素補充療法中に発生する抗体について検討した。昨年度はBalb/cマウスにおいて抗CD3抗体によって抗体の産生が抑制されたマウスでは酵素の再投与により抗体価の上昇がると報告した。しかしながら、抗体価の上昇は確かにあるものの、コントロール抗体を用いて抗体の産生が抑制されなかったマウスに比べると有意にその抗体価は低かった。これは抗CD3抗体の酵素に対する抗体発生抑制効果が長期に渡ることを示唆する結果であった。この抗CD3抗体の長期的な効果をポンペ病モデルマウスを用いて検討した。抗CD3抗体を酵素補充療法開始前に連続5日至適量投与するとBalb/cに比べて顕著ではないが酵素に対する抗体発生が抑制された。その抑制効果は酵素補充療法を継続しても当初若干の抗体価の上昇があるものの、その後低下した。よって抗CD3抗体による酵素製剤に対する抗体発生抑制は、酵素補充療法前に一度行えば、その後の追加投与を行わなくても長期間持続するものと思われた。ポンペ病モデルマウスは酵素補充療法を継続するとアナフィラキシーショックにて死亡する。しかしながら抗CD3抗体を投与するとアナフィラキシーショックによる死亡が有意に抑制された。そこで酵素製剤に対する酵素特異的IgEを測定してみると抗CD3抗体投与群で有意に抑制されていた。つぎに既に成立してしまった酵素に対する免疫応答を抑制する効果が抗CD3抗体にあるか否かを検討した。酵素を前もって投与し抗体を発生させておいたマウスに抗CD3抗体を投与するとコントロール抗体を投与したマウスに比べ抗体の有意な低下が観察された。昨年度、抗CD3抗体投与によってCD4^+CD25^+細胞が上昇することを報告した。抗CD25抗体によりCD25^+細胞を枯渇させると抗CD3抗体の免疫抑制作用がキャンセルされるか否かの実験計画を立てたが22年度内に終了することができず、現在実験中である。
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