研究課題
申請者らはシトリン欠損症の病因遺伝子単離、欠損たんぱく質機能解明、疾患モデル確立と、独創的な研究を行ってきた。本研究の目的は、マウスモデルを用いてシトリン欠損症における病態形成に関わる糖質毒性の機構を解析し、その適切な病態指標を発見し、内科的治療法を確立することにある。本研究では、シトリン欠損症のほぼすべての症状は、糖質の毒性に起因すると想定し、疾患モデルマウスを用いて、糖質毒性が発揮される機構と糖を忌避する機構を、肝臓代謝分析によって解明し、「真の病態指標」を明確にし、現在、薬効が期待される物質(治療候補薬)がそれら代謝における「真の指標」にどのような影響を与えるかを解明し、治療法を開発確立することを目指している。本年度は、シトリン欠損症において、発症に導くことが知られている、エタノールとグリセロールをモデルマウスが蔗糖と同様に忌避することを明らかにすると共に、肝臓内glycerol 3-phosphate(G3P)濃度をも上昇させることを見いだした。このことからG3Pを指標にして治療薬の検索が可能と考えられることを明らかにした。事実、血中アンモニア濃度の低下作用を示すトリプトン(カゼイン水解物)の投与は蔗糖によるG3P濃度上昇を抑制した。また、メタボローム解析により、G3P以外マーカーを検索中であり、クエン酸濃度変化が病態に関連する可能性を見い出しつつある。
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