研究概要 |
250名の出生コホートにおいて乳児期アトピー性皮膚炎発症(AD)発症者3名、非発症者3名の凍結臍帯血単核球を解凍して、LPSで刺激した。刺激後6時間のmRNA をマイクロアレイにより解析した。差異が見られた分子のmRNA発現について、AD発症児10名、非発症児10名のLPS刺激臍帯血単核球のmRNAをreal time PCRで比較した。IL-10、IL-12p40, IL-6, Indoleamine 2,3 dioxgenase(IDO)、GM-CSFのmRNA発現が発症群において非発症群よりも有意に低値であることが判明した。ADを発症する児では出生時から自然免疫系細胞におけるTLR4からの刺激に対する調整性T細胞誘導能が非発症児に比して低いことが示唆された。この機序の解明はアレルギー疾患発症の予防、ハイリスク児の早期発見につながることが期待される。
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