研究課題
本研究では、治療抵抗性白血病に対する新規治療戦略として、ナチュラルキラー(NK)細胞を用いた細胞療法の開発と臨床応用を目指している。具体的検討項目は i)臍帯血移植生着後の患者血液から得た末梢血からのドナー由来NK細胞体外増幅および遺伝子改変の実施可能性 ii)抗CD19-キメラ型受容体遺伝子導入によるNK細胞耐性の克服とレセプター機能のさらなる向上(第3世代ベクターの作成) iii) 遺伝子改変NK細胞のin vivoでの生存向上、について検討している。平成24年度も、項目i)について解析数を増やすべく鋭意努力したが、残念ながら症例発生が少なくデータのさらなる増加につき困難に直面した。一方、現時点での解析数でも、臍帯血移植後の患者末梢血からの、ドナー由来NK細胞増幅と遺伝子改変のfeasibilityの証明はほぼ可能と考えて、現在投稿準備中である。項目ii)については、第3世代受容体遺伝子コンストラクトanti-CD19-CD28-41BB-zeta(CD28、4-1BB、CD3zeta の3種のシグナルを同時に発生させる細胞内ドメインを有する)をヒトprimary NK細胞に遺伝子導入し表面蛋白発現を確認し、機能解析も行った。その成果は第74回日本血液学会で報告した。DAP10シグナルドメインを用いた第3世代ベクターの作成を考慮している。iii) 遺伝子改変NK細胞のin vivoでの生存向上、については、当初計画したCD4T細胞へのキメラ型受容体遺伝子導入と遺伝子改変CD4T細胞の体外増幅における(4-1BBに対しての)CD28シグナルの優位性を確認したが、NK細胞療法における遺伝子改変CD4T細胞の併用投与というコンセプトについてIn vitroでの有用性は証明できても、その実施手順の煩雑さからは臨床応用性が低いことがうかがわれた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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巻: 未定 ページ: 未定
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