研究課題
基盤研究(C)
EBV-HLHは著しい高サイトカイン血症と血球減少を特徴とし、急激な全身状態の悪化によりしばしば致死的経過をたどる。数時間の治療の遅れが不可逆的な臓器傷害を惹起することから、超早期の診断と治療的介入が必須の、救急疾患である。その本態が主としてCD8^+T細胞への選択的EBV感染と、感染クローンの強い活性化、選択的増殖であることは我々がすでに明らかにしている。したがってその診断にはTCR構造解析により特定のCD8^+T細胞クローンへのEBV感染を証明することが重要となる。しかし、このような高度に特殊な解析が可能な医療機関は多くなく、代替となるより簡便な検査法の開発が必要とされる。本研究ではEBV-HLH症例においてEBVが感染するCD8^+T細胞クローンの特徴について、特にその表面抗原発現プロフィールと、サイトカイン産生プロフィールを中心に解析した。さらにその結果をもとにして、簡便で迅速な診断プロトコールの提示を試みた。EBV-HLHではほぼ例外なく、特定のTCR Vβを発現するCD8^+T細胞にEBVが感染、CDR3サイズ分布解析によりそれらの細胞がクローン性増殖を示すことが明らかにされた。さらに、異常クローンはHLA-DR強陽性、CD5陰性の特徴を示した。その後の検討では、FHL2を背景としたEBV-HLHの場合はB細胞にEBVが感染、多クローン性にCD5陰性CD8^+T細胞が増殖することも明らかにされ、診断の際に留意すべきであると考えられた。
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