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2009 年度 実績報告書

難治性小児白血病に対する移植片対白血病効果における細胞傷害因子の臨床的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21591356
研究機関山梨大学

研究代表者

犬飼 岳史  山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (30293450)

キーワード造血幹細胞移植 / 移植片対白血病効果 / 細胞傷害因子 / TRAIL
研究概要

本研究では、同種造血幹細胞移植における移植片対白血病(GVL)効果で中心的な役割を担う細胞傷害因子のTRAIL感受性について、転座由来の融合遺伝子産物の作用と、TRAIL受容体遺伝子プロモーターのメチル化状態との関連性、の2点を重点的に解析した。
このうち17;19転座型急性リンパ性白血病(ALL)では、転座由来のE2A-HLFがTRAIL受容体のDR4・5発現を誘導することを明らかにしているが、E2A-HLFはDR4・DR5遺伝子のプロモーターを活性化させるものの、この領域にはE2A-HLFが結合する塩基配列は存在せずE2A-HLFは間接的に作用していると想定された。一方、DR4とDR5遺伝子のプロモーター間では相同性が極めて低く、E2A-HLFが特定の転写因子を介さずに両者のプロモーターを活性化している可能性も含めて解析を進めている。
Philadelphia染色体(Ph1)由来のBCR-ABLがDR4・5遺伝子の発現を誘導することを明らかにしているが、Ph1陽性白血病細胞でImatinibによってBCR-ABLの活性を抑制するとDR4・DR5の発現も抑制される。この時に細胞周期の停止も誘導されることから、TGFβやover-growthによる細胞周期停止でのDR4・DR5発現の変化を解析したところ、DR4の発現のみ低下したことから、少なくともBCR-ABLによるDR4発現の維持は細胞周期促進効果と直結していることが示唆され、さらに解析を進めている。
プロモーターのメチル化との関連性に関しては、T細胞性ALLでのDR4・DR5の低発現への関与について報告し、11q23転座型ALLでのDR4・5低発現において、遺伝子のメチル化とともに転写活性自体が低いことも関与している可能性を見いだして解析を進めている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Long-term results of Tokyo Children's Cancer Study Group trials for childhood acute lymphoblastic leucemia, 1984-1999.2010

    • 著者名/発表者名
      Tsuchida M, ら
    • 雑誌名

      Leukemia 24

      ページ: 383-396

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 小児難治性白血病の細胞傷害因子TRAILに対する感受性の意義2009

    • 著者名/発表者名
      犬飼岳史
    • 雑誌名

      日本小児血液学会雑誌 23

      ページ: 332-344

  • [雑誌論文] Long-term survival after HLA-haploidentical SCT from noninherited maternal antign-mismatched family donors : impact of chronic GVHD.2009

    • 著者名/発表者名
      Kanda J, ら
    • 雑誌名

      Bone Marrow Transplant 44

      ページ: 327-329

    • 査読あり
  • [学会発表] Philadelphia染色体陽性白血病細胞におけるImatinibによる小胞体ストレス誘導作用とTRAIL感受性の検討2009

    • 著者名/発表者名
      張曉春, ら
    • 学会等名
      第51回日本小児血液学会総会
    • 発表場所
      浦安
    • 年月日
      20091127-20091129
  • [学会発表] T細胞型急性リンパ性白血病のTRAIL耐性へのTRAIL受容体DR4/DR5遺伝子のメチル化とプロモーター活性の関与2009

    • 著者名/発表者名
      赤羽弘資,犬飼岳史,廣瀬衣子,黒田格, ほか
    • 学会等名
      第71回日本血液学会総会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2009-10-23
  • [学会発表] BCR-ABLはPh1陽性白血病細胞のTRAILに対するdeath受容体の発現に関与する2009

    • 著者名/発表者名
      黒田格,犬飼岳史,張暁春,廣瀬衣子,赤羽弘資, ほか
    • 学会等名
      第71回日本血液学会総会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2009-10-23

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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