研究課題/領域番号 |
21591357
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
塩原 正明 信州大学, 医学部, 准教授 (00293514)
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研究分担者 |
樋口 司 信州大学, 医学部, 助教 (80397306)
坂下 一夫 信州大学, 医学部附属病院, 助教 (10345746)
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キーワード | 活性酸素種 / リンパ性白血病 / 活性酸素産生酵素 |
研究概要 |
本研究の目的は、小児急性リンパ性白血病(ALL)におけるNADPHoxidase(Nox)5依存性に産生されるreactive oxygen species(ROS)の、癌形質獲得への関与を分子生物学的に証明するための基礎実験を行ことである。さらにNox5発現誘導機構の解析および臨床的重症度との相関を踏まえた上で、Nox5依存性レドックスシグナル応答を制御することによる難治性小児ALLに対する新規分子標的療法を開発するための、基礎的エビデンスの収集を目的とする。 (1)小児ALLサンプルおよびALL細胞株におけるNox遺伝子発現の解析 20例の小児ALLサンプルおよびALL細胞株10株での7種類のNox関連分子の発現をTR-PCRで解析したところ約20%でNox5の発現を認めた。他のNox分子の発現はNox5に比し低頻度だった。 (2)siRNA発現細胞株の樹立 Nox5分子につきsiRNAおよびscrambled siRNA発現レトロウイルスベクターを作製した。Nox5発現細胞株MT1およびMT2にレトロウイルスを感染させpuromycinに対する薬剤感受性をもとにsiRNA発現細胞のクローニングを行った。樹立した細胞株におけるNox5発現低下をreal-time RT-PCRおよびウエスタン解析により確認した。controlとして用いるscrambled siRNA導入株では発現低下はみられなかった。さらにscrambled siRNA導入株に比べNox5 siRNA導入株においてROS産生低下をフローサイトメトリーで確認することができた。 以上の結果が得られたことから、次年度への解析に向けて重要な知見と研究材料を得ることができた。
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