研究課題
本研究の目的は(1)アレルギー発症の遺伝・環境の直接的相互関係の遺伝子分子レベルでの解明と(2)アレルギーの画期的予防・治療法の確立(テーラーメイド医療を含む)である。平成23年度には、解明されたアレルギーの病因遺伝子群の環境・地球規模的環境下における構造生物学的解明(構造プロテオミクス)と機能異常との関連を解明(構造機能相関)をもとにして、テーラーメイド治療予防法の開発を進めた。(1)テーラーメイド治療のための創薬への基盤形成を進めた。1.IL18、IL-18レセプターの構造と完全な結合様式とそのシグナル伝達系を決定し、遺伝子異常によりこの結合が不十分なアレルギー患者に対する低分子のテーラーメイド創薬の開発を進めた。2.自然免疫系のMyD88との結合分子を明らかにして、その結合調節分子の開発を進めた。(2)テーラーメイド治療法を開発した。すなわち、アレルギー患者個々に対して免疫寛容を誘導するためにT細胞エピトープを温存し、IgEエピトープを破壊した、乳タンパクペプチドを作成し、臨床応用を進めた。また、喘息治療薬の個々の患者への効果予測をするために、遺伝子、タンパクの測定により各薬剤の有効性を評価し、テーラーメイド治療開発を進め、一定の成果を得た。すなわち、IL-13遺伝子、LTC4S遺伝子などの多型が薬剤の使い分けに有用であることなどが示された。さらにIFN-γやロイコトリエン量などが同様に有用であることも示された。
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