研究概要 |
目的:今年度は気道上皮培養細胞をもちいて,これらの細胞が脂肪酸由来活性物質に関連したいかなる受容体が発現しているかを検討した 方法:ヒト培養気道上皮細胞株BEAS-2B、およびヒト正常気道上皮細胞NHBEを用いて実験を行った.培養液はそれぞれLHC-9、およびBEBMを使用し、2日置きに培養液の交換を行った。これらの細胞におけるLTB4受容体、すなわちBLT1、BLT2、および接着分子ICAM-1のmRNA発現を、定量的および半定量的RT-PCR法で、蛋白発現を、Western blotting法、免疫組織染色法およびflowcytometry法で検討した 結果:これらの細胞はペプチドLTsの受容体であるCysLT1、CysLT2は発現せず,LTB4受容体のひとつであるBLT1 mRNA発現および蛋白を恒常的に発現していた.しかし,BLT2の発現は認めなかった.そこでLTB4のこれらの細胞に対する作用を検討した.LTB4はICAM-1 mRNA発現を濃度依存的に増強し、蛋白レベルでも気道上皮細胞上の恒常的なICAM-1発現を増強することが判明した.以前より、IFN-γが気道上皮細胞のICAM-1発現を増強することが報告されているが,IFN-γで誘導されたICAM-1 mRNA発現および蛋白発現は、LTB4により相加的に増強されることが新たに判明した
|