研究概要 |
小児喘息は気道の慢性炎症であることが知られている.気道の炎症・消炎症の機構を解明するために脂肪酸代謝産物を含む種々の内因的・外因的活性物の気道上皮に対する作用を検討した.(1) leukotrieneB4(LTB4)は気道上皮のICAM-1発現を誘導し,ウイルス感染時に炎症・消炎症に関与していることが示唆された.(2)ウイルス感染のモデルであるPolyIC刺激により気道上皮にセマフォリン(sema3A)分子の発現が誘導されることを明らかにした.またsema3Aは好中球に作用してその貪食能を増強することを見いだした.(3) IL-13はマウスの気道上皮を増殖させることをair-liquid interface assay法を用いて確認した.この作用はepidermal growth factor receptor(EGFR)のリガンドのひとつであるepigenの発現を誘導することによって生ずることを解明した.
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