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2011 年度 実績報告書

神経芽腫の予後決定候補遺伝子BMCC1の神経系における機能と神経芽腫における役割

研究課題

研究課題/領域番号 21591376
研究機関千葉県がんセンター(研究所)

研究代表者

中村 洋子  千葉県がんセンター(研究所), 研究局, 主席研究員 (60260254)

研究分担者 巽 康年  千葉県がんセンター(研究所), 研究局, 研究員 (00450578)
キーワード神経芽腫 / BMCC1 / 神経細胞の増殖と分化 / 神経細胞死 / TrkA / ノックアウマウス
研究概要

平成23年度は、神経芽腫の予後決定候補遺伝子BMCC1の神経系および神経芽腫における役割を明らかにすることを目的とし、以下の3項目を中心に研究を行い、成果を得た。
1.BCHドメインを中心としたBMCC1の機能解明&2.TrkAの結合を介したBMCC1によるシグナル伝達経路の制御機構の解明
項目1および2から得られた成果を総合し、本年度は、神経分化研究のモデル細胞として知られるPC12細胞(ラット副腎褐色細胞腫由来)を用いて、BMCC1の過剰発現およびノックダウンを行い、神経増殖因子(NGF)添加により誘導される神経分化に及ぼす影響を検討した。その結果、BMCC1過剰発現細胞では神経突起の伸長が抑制され、BMCC1発現抑制細胞では神経突起の伸長が促進されることを発見した。すなわちBMCC1はNGF依存的な神経細胞の分化を負に制御する因子であることを見出した。神経細胞死を促進するBMCC1が細胞分化を抑制するという知見は、NGF依存的な神経細胞の分化と細胞死の制御機構を知る上で、また神経芽腫の自然退縮メカニズムを解明する上で重要である。
3.神経芽腫の発がんモデルマウスとして期待されるBMCC1ノックアウトマウスの解析
ノックアウトマウス作成時に129系統マウス由来のES細胞を使用したため、最も研究に使用されているC57BL/6系統マウスへの戻し交配を行った。また、BMCC1ノックアウトマウスの組織を用いたウエスタンブロット法による解析から、BMCC1の発現がBMCC1+/-マウスで減弱しBMCC1-/-マウスで消滅していることを確認した。BMCC1ノックアウトマウスの樹立は世界で初めてのものである。これまでに幾つかの興味深い表現型が観察されており、神経発生や神経芽腫の形成のみならず個体におけるBMCC1の機能をin vivo解析から明らかにする為の手段として有効である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Oncogenic LMO3 collaborates with HEN2 to enhance neuroblastoma cell growth through transactivation of Mash12011

    • 著者名/発表者名
      Isogai E, Nakamura Y, et.al.
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 6 ページ: e19297

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0019297

    • 査読あり
  • [学会発表] 神経芽腫の予後に相関するマイクロRNA発現パターンの検索2011

    • 著者名/発表者名
      大平美紀、中村洋子, et.al.
    • 学会等名
      第53回日本小児血液・がん学会学術集会
    • 発表場所
      ベイシア文化ホール(群馬県)前橋商工会議所
    • 年月日
      2011-11-27
  • [学会発表] 前立腺がん細胞においてノンコーディングRNAのDD3はアポトーシス促進因子BMCC1の発現制御を介して細胞増殖を促進する2011

    • 著者名/発表者名
      巽康年、中村洋子, et.al.
    • 学会等名
      第70回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • 年月日
      2011-10-05
  • [学会発表] 神経芽腫の予後に強く相関するmiRNA発現プロファイルの検索2011

    • 著者名/発表者名
      大平美紀、中村洋子, et.al.
    • 学会等名
      第70回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • 年月日
      2011-10-04
  • [学会発表] 神経芽腫の自然退縮における依存性受容体UNC5Dの機能的役割2011

    • 著者名/発表者名
      李元元、中村洋子, et.al.
    • 学会等名
      第70回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • 年月日
      2011-10-03
  • [学会発表] IBM-World Community Gridの分子イメジングを用いたTrkB受容体に対する新規低分子阻害剤のスクリーニング2011

    • 著者名/発表者名
      中村洋子, et.al.
    • 学会等名
      第15回日本がん分子標的治療学会学術集会
    • 発表場所
      ホテル日航東京(東京都)
    • 年月日
      2011-06-23

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公開日: 2013-06-26  

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