研究課題
1.臨床検体の受け入れと遺伝子解析今年度は日本腎臓学会、日本小児科学会において、私ども症例の遺伝子解析結果について学会発表を行った。この結果、部分尿崩症が疑われる患者の検体の解析依頼を得、現在解析を行っている。また、1例については両親の遺伝子解析を行い、母親の遺伝子異常が判明した。2.In vitroの系における変異V2受容体のAVPの結合実験上記1のV2遺伝子異常を有する変異V2受容体を培養細胞に一過性に発現導入し、AVPを添加後の細胞内cAMP濃度を測定して機能解析を行った。この結果、V2RへのAVPの結合能(親和性)の低下よりもV2R以降のシグナル伝達の低下が強く疑う結果を得た。3.In vitroの系の解析結果と臨床表現型との比較解析患者の臨床表現型を正しく評価するために、統一した診断プロトコール(水制限試験およびDDAVP負荷試験、同時に尿中cAMP測定)における反応性とin vitro解析との整合性を検討した。その結果、上記2で行った機能解析とよく相関する結果を得た。また、今回の検討で遺伝子異常が判明した患児の母については、母親への水分制限およびDDAVP負荷試験の了解が得られる見通しになったため、現在部分尿崩症の診断プロトコールに基づき、検討を行う予定である。この母は、多飲多尿の症状はごく軽度であり、同じ遺伝子異常を有する家族で症状が異なる理由について、今後検索を行う予定である。
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