先天性(遺伝性)ネフローゼ症候群(以下ネ症)に罹患した日本人患者より同定したNPHS2遺伝子異常(蛋白はポドシン)をもとに、ポドシン蛋白の機能発現に必要な蛋白(特にポドシン蛋白を輸送するのに必要な可能性のある蛋白)を同定し、性質を明らかにすることで蛋白尿発症機序を解明し、蛋白尿を発症する新たな病因の探索にもつなげることを目的し、研究を行っている。 ポドシン結合蛋白の同定 1. 正常NPHS2cDNAとR168HやR168Cの変異を持つ変異cDNAをFLAGの入ったプラスミドに導入した。 2. このプラスミドをHEK293細胞にトランスフェクトした。 3. ビーズ(Anti-FLAG M2 Agarose beads : SIGMA)を使用して、結合している蛋白を抽出した。 4. SDS-PAGEで、蛋白を分離した。 5. 正常ボドシンに結合していた可能性のある蛋白につき、Agilent社製のLC/MS(岡山大学医学部共同実験室内にある)で、質量分析を行い、蛋白を同定した。 多くの蛋白が同定されたが、上記の目的に当てはまると考えられる蛋白につき、現在以下の分析を行っている。 1 腎臓組織における発現部位。 2 腎臓以外の組織での発現部位。 3 同定された蛋白が実際にポドシンと結合しているか否か。
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