研究概要 |
B19ウイルスは5,596塩基という非常に短いゲノムを3つのopen reading frameにより(部分的にオーバーラップさせつつ)最大限に利用し、1つのpromotorと2つのpolyadenylation siteのみで転写を調節している。このように非常に許容範囲の狭いゲノムと考えられるが、実際はDNAウイルスとして、これほど点変異(突然変異)を認めるウイルスはまれであると考える。また、B19ほど多彩な病態に関連しているウイルスは他にはない。この点に関して、ゲノム変異が感染様式および病態へどのように関連しているかを解明していくことを研究の目的とする。 平成21年度は、B19ゲノム上の変異に関して、主にVP1 ullique regionと呼ばれる中央の約1200塩基に関する部位の検討を終え、さらにその左側にあるNS部位と右側にあるVP2部位に関して検討をすすめた。変異をゲノムに導入する基礎実験を平成21年より開始しているが、引き続き平成22年度も続行しているところである。
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