ヒトパルボウイルスB19のゲノム変異が感染様式または病態に与える影響

2011 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 21591393
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 小児科学
• 研究機関: 札幌医科大学
• 研究代表者: 要藤 裕孝 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10404659)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2011
• キーワード: パルボウイルス / B19V / ゲノム変異 / 転写 / 伝染性紅斑

研究概要

北海道におけるヒトパルボウイルスB19 DNAの変異を検索した結果、1981-1987年に主流であった株(A1、A2)は、次の1991年の流行期には駆逐されており、全世界的な標準株(B2)に劇的に変化していることが判明した。A2株の配列の違いのうち、標準株Bと異なっている特定部分の変異が、感染力または複製能力において劣る要因を有しており、外来種と推定されるB株に一斉に置き換われたことが示唆された。また、年度ごとのダイナミックな変異以外にも20%以上において個々のB19ウイルスに点変異(突然変異)がみられた。これらの変異が感染様式に大きな影響を与える要因となっている可能性が示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] Human cytomegalovirus UL97 D605E polymorphism has a high prevalence in immunocompetent Japanese infants and children (2011)
  • 著者名/発表者名: Tanaka K, Hori T, Yoto Y, Hatakeyama N, Suzuki N, Tsutsumi H
  • 雑誌名: Microbiology and Immunology 巻: Vol.55 ページ: 328-330
  • 査読あり
• [雑誌論文] RSウイルス感染症の病態解明とその制圧に向けて (2011)
  • 著者名/発表者名: 堤裕幸、要藤裕孝
  • 雑誌名: 小児科 巻: 52 ページ: 1145-1152
• [雑誌論文] Fosfomycin suppresses RS-virus-induced streptococcus pneumoniae and haemophilus influenzae adhesion to respiratory epithelial cells via the platelet-activating factor receptor (2010)
  • 著者名/発表者名: Yokota S, Okabayashi T, Yoto Y, Hori T, Tsutsumi H, Fujii N
  • 雑誌名: FEMS Microbiology 巻: Vol.310 ページ: 84-90
  • 査読あり
• [雑誌論文] 小児の治療指針-パルボウイルスB19感染症 (2010)
  • 著者名/発表者名: 要藤裕孝
  • 雑誌名: 小児科診療 巻: 73 ページ: 189-190
• [雑誌論文] ウイルスの今日的意味-ヒトパルボウイルスB19感染症のさまざまな病態 (2010)
  • 著者名/発表者名: 要藤裕孝
  • 雑誌名: 化学療法の領域 巻: 26 ページ: 1557-1562
• [雑誌論文] 新時代のワクチン戦略について考える-RSV-世界の開発状況 (2010)
  • 著者名/発表者名: 堤裕幸、要藤裕孝
  • 雑誌名: 臨床検査 巻: 54 ページ: 1422-1428
• [雑誌論文] 血液・尿化学検査-ウイルス感染症-RSウイルス (2010)
  • 著者名/発表者名: 堤裕幸、要藤裕孝
  • 雑誌名: 日本臨床 巻: 68 ページ: 402-405
• [雑誌論文] Analysis of nucleotide sequences of human parvovirus B19 genome reveals two different modes of evolution, a gradual alteration and a sudden replacement : a retrospective study in Sapporo, Japan, from 1980 to 2008 (2009)
  • 著者名/発表者名: Suzuki M, Yoto Y, Ishikawa A, Tsutsumi H.
  • 雑誌名: Journal of Viology 巻: Vol.83 ページ: 10975-10980
  • 査読あり
• [雑誌論文] Occurrence of the African subgroup(la) of BK polyomavirus in younger Japanese children (2009)
  • 著者名/発表者名: Tanaka K, Hori T, Hatakeyama N, Yamamoto M, Takayama R, Yoto Y, Suzuki N, Hayashi T, Ikeda Y, Ikeda H, Ishida T, Tsutsumi H
  • 雑誌名: Microbiology and Immunology 巻: Vol.53 ページ: 319-322
  • 査読あり
• [雑誌論文] Detection of enteric viruses in rectal swabs from children with acute gastroenteritis attending the pediatric outpatient clinics in Sapporo, Japan (2009)
  • 著者名/発表者名: Nakanishi K, Tsugawa T, Nakata S, Tatsumi M, Yoto Y, Tsutsumi H
  • 雑誌名: Journal of Clinical Virology 巻: Vol.46 ページ: 94-97
  • 査読あり
• [雑誌論文] Fosfomycin suppresses chemokine induction in airway epithelial cells infected with respiratory syncytial virus (2009)
  • 著者名/発表者名: Okabayashi T, Yokota S, Yoto Y, Tsutsumi H, Fujii N
  • 雑誌名: Clinical Vaccine Immunology 巻: Vol.16 ページ: 859-865
  • 査読あり
• [雑誌論文] 小児疾患診療のための病態生理VII.感染症-伝染性紅斑 (2009)
  • 著者名/発表者名: 要藤裕孝
  • 雑誌名: 小児内科 巻: 40 ページ: 1120-1124
• [雑誌論文] ヒトパルボウイルスB19感染に関連する多様な疾患 (2009)
  • 著者名/発表者名: 要藤裕孝
  • 雑誌名: 臨床小児医学 巻: 57 ページ: 41-45
• [雑誌論文] RSウイルス感染症の診断法 (2009)
  • 著者名/発表者名: 堤裕幸、要藤裕孝、永井和重
  • 雑誌名: 日本医事新報 巻: 4425 ページ: 112-113
• [雑誌論文] 感染免疫から見た、親と子、そして社会の絆 (2009)
  • 著者名/発表者名: 堤裕幸、要藤裕孝
  • 雑誌名: 小児保健研究 巻: 68 ページ: 137-140
• [雑誌論文] RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヒトボカウイルスによる下気道炎の病態と治療 (2009)
  • 著者名/発表者名: 堤裕幸、要藤裕孝
  • 雑誌名: 小児科臨床 巻: 62 ページ: 2133-2139
• [雑誌論文] 呼吸器感染症の原因となるウイルス(RSウイルス、パラインフルエンザウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヒトボカウイルス) (2009)
  • 著者名/発表者名: 堤裕幸、要藤裕孝、永井和重
  • 雑誌名: 化学療法の領域 巻: 25 ページ: 1066-1072
• [雑誌論文] RSウイルス感染症と喘鳴・喘息 (2009)
  • 著者名/発表者名: 堤裕幸、永井和重、要藤裕孝
  • 雑誌名: 日本医事新報 巻: 4421 ページ: 62-66
• [雑誌論文] RSウイルスワクチン (2009)
  • 著者名/発表者名: 堤裕幸、永井和重、要藤裕孝
  • 雑誌名: 化学療法の領域 巻: 25 ページ: 1503-1508
• [雑誌論文] RSウイルス (2009)
  • 著者名/発表者名: 堤裕幸、永井和重、要藤裕孝
  • 雑誌名: 臨床検査 巻: 53 ページ: 1413-1417
• [学会発表] ヒトパルポウイルスB19の麻疹抗体測定に与える影響 (2011)
  • 著者名/発表者名: 要藤裕孝, 堤裕幸
  • 学会等名: 第52回日本臨床ウイルス学会学術集会
  • 発表場所: 津
  • 年月日: 20110611-12
• [学会発表] 伝染性紅斑と手足口病の臨床的話題 (2011)
  • 著者名/発表者名: 要藤裕孝
  • 学会等名: 小樽市医師会小児科部会
  • 発表場所: 小樽
  • 年月日: 2011-03-18
• [学会発表] ヒトパルボウイルスB19の遺伝子変異についての検討 (2010)
  • 著者名/発表者名: 和田芳雅, 要藤裕孝, 鈴木将史, 堤裕幸
  • 学会等名: 第42回日本小児感染症学会総会・学術集会
  • 発表場所: 仙台
  • 年月日: 20101127-28
• [学会発表] ヒトパルボウイルスB19の遺伝子的多様性、経年変化について (2010)
  • 著者名/発表者名: 和田芳雅, 要藤裕孝, 鈴木将史, 堤裕幸
  • 学会等名: 第58回日本ウイルス学会学術集会
  • 発表場所: 徳島
  • 年月日: 20101107-09
• [学会発表] Analysis of changing nucleotide sequences of human parvovirus B19 genome in Sapporo, Japan (2010)
  • 著者名/発表者名: Yoto Y, Wada Y, Suzuki M, Tsutsumi H
  • 学会等名: The XIIIth International Parvovirus Workshop
  • 発表場所: Helsinki, Finland
  • 年月日: 20100620-25
• [学会発表] 1980-2008年におけるヒトパルボウイルスB19の遺伝的経年変化についての検討 (2009)
  • 著者名/発表者名: 鈴木将史、要藤裕孝、石川亜貴、堤裕幸
  • 学会等名: 第41回日本小児感染症学会総会・学術集会
  • 発表場所: 福井
  • 年月日: 20091114-15
• [学会発表] ヒトパルボウイルスB19感染における臨床疾患と血中ウイルスDNA量の相関に関する検討 (2009)
  • 著者名/発表者名: 要藤裕孝、鈴木将史、堤裕幸
  • 学会等名: 第57回日本ウイルス学会学術集会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20091025-27
• [学会発表] RSウイルス感染がヒト鼻粘膜上皮細胞のタイト結合に与える影響～hTERT遺伝子導入ヒト鼻粘膜上皮細胞を用いた解析～ (2009)
  • 著者名/発表者名: 平川賢史、永井和重、要藤裕孝、堤裕幸、岡林環樹、横田伸一、藤井暢弘
  • 学会等名: 第57回日本ウイルス学会学術集会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20091025-27
• [学会発表] hTERT遺伝子導入ヒト鼻粘膜上皮細胞を用いたRSウイルス感染症モデルの作成 (2009)
  • 著者名/発表者名: 平川賢史、永井和重、要藤裕孝、堤裕幸、岡林環樹、横田伸一、藤井暢弘
  • 学会等名: 第57回日本ウイルス学会学術集会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20091025-27
• [学会発表] RSウイルスによるケモカイン産生および細菌接着増強に対するホスホマイシンの抑制効果 (2009)
  • 著者名/発表者名: 岡林環樹、横田伸一、藤井暢弘、要藤裕孝、堤裕幸
  • 学会等名: 第57回日本ウイルス学会学術集会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20091025-27
• [図書] 小児の感染症の落とし穴 (2011)
  • 著者名/発表者名: 要藤裕孝
  • 総ページ数: 190-195
  • 出版者: 南光堂
• [図書] 小児科臨床ピクシス-小児科臨床ピクシス25小児感染症最新カレンダー & マップ (2011)
  • 著者名/発表者名: 要藤裕孝
  • 総ページ数: 136-139
  • 出版者: 中山書店
• [図書] 小児感染症学 (2011)
  • 著者名/発表者名: 要藤裕孝
  • 総ページ数: 377-381
  • 出版者: 診断と治療社
• [図書] 小児科学レクチャー (2011)
  • 著者名/発表者名: 堤裕幸、要藤裕孝
  • 総ページ数: 227-232
  • 出版者: 総合医学社
• [図書] ナースの小児科学 (2011)
  • 著者名/発表者名: 堤裕幸、要藤裕孝
  • 総ページ数: 318-339
  • 出版者: 中外医学社
• [図書] 医科ウイルス学 (2009)
  • 著者名/発表者名: 要藤裕孝、堤裕幸
  • 総ページ数: 330-331
  • 出版者: 南光堂
• [図書] 小児科臨床ピクシス11抗菌薬・抗ウイルス薬の使い方 (2009)
  • 著者名/発表者名: 要藤裕孝
  • 総ページ数: 243-247
  • 出版者: 中山書店