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2009 年度 実績報告書

ヒトでの薬剤耐性ヘルペスウイルス感染症の病態解明と薬剤感受性迅速診断システム開発

研究課題

研究課題/領域番号 21591402
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

西條 政幸  国立感染症研究所, ウイルス第1部第3室, 室長 (50300926)

キーワード単純ヘルペイウイルス / アシクロビル / ガンシクロビル / 薬剤感受性 / 薬剤耐性 / 迅速診断 / 免疫不全 / 臓器移植
研究概要

【研究目的と意義】単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)および2型(HSV-2)による感染症は,アシクロビル(ACV)などのウイルス性チミジンリン酸化酵素(vTK)関連薬剤により治療される。臓器移植患者における免疫不全患者では薬剤耐性ウイルス感染症が問題となっている。今年度は,293T細胞にHSV-1の組換えvTKを一過性に発現させ,組換えvTK発現細胞におけるACVなどのvTK関連薬剤のvTK欠損HSV-1に対する増殖抑制効果を測定することにより,薬剤感受性試験成績を迅速に得るシステムを開発した。【材料と方法】臨床分離株HSV-1 TASおよびACV耐性HSV-1を用いた.これらのウイルスのvTKを発現ベクター(pcDNA3.1+, Invitrogen社)を用いて293T細胞で発現させた。各々のHSV-1のvTK発現293T細胞におけるACV耐性vTK欠HSV-1 TARに対するACV,ガンシクロビル(GCV),BVdUの増殖抑制効果をyield reduction法を用いて検討した。組換えvTKの発現は,Westernblotting法により確認した.ACV各濃度におけるHSV-1 TAR量は,プラーク法および定量的リアルタイムPCR法で決定した。【結果】ACV感受性HSV-1のvTKが発現された293T細胞では,40μg/mlのACVによりHSV-1 TARの増殖は強く抑制されるのに対し,高度耐性株のvTK発現細胞では全く抑制されなかった。中等度耐性株のvTK発現細胞におけるACV, GCV, BVdUのHSV-1 TARの増殖抑制効果は,感受性株と高度耐性株vTK発現細胞での増殖抑制効果の中間に位置した。【考察】本システムを用いることにより,臨床分離株や臨床検体のvTK遺伝子があれば,ウイルス分離および分離されたHSV-1のプラーク減少法による薬剤感受性試験に比べて,より迅速に薬剤感受性成績を得ることができる。HSV-2およびVZVの薬剤感受性試験にも応用可能と考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 293T細胞を用いた単純ヘルペスウイルスならびに水痘帯状疱疹ウイルス組換えチミジンリン酸化酵素の発現と薬剤感受性試験への応用2009

    • 著者名/発表者名
      塩田智之, 飯塚愛恵, 森川茂, 倉根一郎, 水口雅, 西條政幸
    • 学会等名
      第57回日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20091000

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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