研究課題/領域番号 |
21591419
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
水野 恵介 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (00405177)
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研究分担者 |
飛田 秀樹 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00305525)
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キーワード | 脳室周囲白質軟化症 / 臨床使用薬剤 / 運動機能評価 / TTC染色 / GFAP / OX-41 / 長期モデル / ロタロッド |
研究概要 |
未熟児型PVLモデル動物の長期モデルとしての有用性の確認を、組織学的および行動学的な解析から実施した。生後3日齢ラットへの右総頸動脈閉塞と低酸素虚血による未熟児型PVLモデルを作成した後、まずTTC染色(ミトコンドリア活性検出)を実施した。モデル作成56日後まで明らかな組織欠損および中大脳動脈閉塞モデル動物に見られるようなTTC染色性の明らかな低下は認められなかった。また、GFAP染色性はM1領域からparietal cortexに及ぶ増強が長期間認められるのに対し、OX-41染色性は14日後まで強く観察されるものの28日後には明らかな染色性は認められなることが明らかになった。運動機能の評価として、後肢引戻し、棒上歩行、ロタロッド等の各試験を実施し、2月後の成熟動物においても運動機能が減弱していることを明らかにした。認知機能に関する行動実験に関しては十分に実行出来なかったため、平成22年以降に実施する予定である。また、これまでにモデル作成後の18カ月齢の老齢PVLモデルにおいても運動機能(オープンフィールド、シリンダーテスト、棒上歩行)を実施し、現在その解析を行なっている。これらの結果は、今後の追加実験や詳細な解析を必要とするが、運動機能の側面から未熟児型PVLの長期モデル動物として適していることが示された。 未熟児型PVLモデル動物における臨床使用薬剤の検討については十分に実施できなかったため、鉄イオンキレータおよびラジカルスカベンジャーの投与をH22年度に実施し有効最適投与量を決定していくことを予定している。
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