研究課題/領域番号 |
21591419
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
水野 恵介 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (00405177)
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研究分担者 |
飛田 秀樹 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00305525)
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キーワード | 脳室周囲白質軟化症 / オリゴデンドロサイト / マウスES細胞 / マウスiPS細胞 / 磁気ビーズ / 細胞移植 / APC陽性 / neurosphere |
研究概要 |
本研究の目的は、1、未熟児型の脳質周囲白質軟化症(PVL)モデル動物が、運動機能および認知機能の障害という点からモデル動物として適しているか否か、2、細胞保護作用を有する臨床使用薬剤が未熟児型PVLモデルに対して効果を示すか否か、3、iPS細胞等の幹細胞からオリゴデンドロサイト(OLG)系譜へ細胞分化させた細胞の移植を実施し細胞移植の可能性を検討することである。23年度は、ES/iPS細胞の幹細胞から分化誘導したOLG系譜細胞の移植と解析を主に実施した。 幹細胞を用いた細胞移植実験では、マウスiPS細胞から7段階のステップで効率よく(約25%)OLG前駆細胞へとの分化誘導し、抗SSEA-1抗体を用いた選別回収(MACS)によりSSEA-1陽性の未分化細胞の混入が1%以下に減少させることが可能となった。これによりテラトーマを形成する未分化細胞の大部分を除去できるようになった。移植に向け、Venus遺伝子を導入したiPS細胞を作成しOLGsへの分化誘導を確認した後、P5ラットの脳内へ細胞移植を行ったところ、単離化細胞での移植は脳内での細胞生着が非常に悪いことが確認された。…方、CAG-EGFP陽性のES細胞より分化誘導したneurosphereを大きな細胞塊のままPVLモデルへ移植した場合には、移植2週後にEGFP陽性の神経細胞が移植部周囲に確認され、また脳内の広範囲に神経突起を確認でき、細胞が生存していることが明らかになった。しかし、移植6ヶ月後には、神経系細胞の生存は確認されず、GFP弱陽性のGFAP陽性細胞が確認された。興味深いことに、APC陽性のOLG細胞数は対照側とほぼ同程度にまで回復していることを確認できた。幹細胞由来のnrurosphereの移植による間接的な影響を検出したものだと解釈している。
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