研究課題/領域番号 |
21591420
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
飛彈 麻里子 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (20276306)
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研究分担者 |
粟津 緑 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (20129315)
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キーワード | autophagy / エピジェネテイクス / 腎発生 / oligonephronia / 子宮内発育遅滞 / ステロイド / 低栄養 / 成人病胎児期発症説(Barker仮説) |
研究概要 |
本研究の目的は胎内プログラミングによる腎発資異常におけるmTOR(The manmmalian target of rapamycin)経路の役割を解明することである。近年、生活習慣病発症の危険因子として子宮内発育遅延(IUGR)、母体への薬物投与が挙げられ、高血圧発症機序として母体の低栄養、ステロイド(グルココルチコイド)投与によるネフロン数減少が報告されているが、詳細な機序は未解明である。mTORはセリン・スレオニンキナーゼでその経路は低栄養やステロイド投与で活性が抑制され、細胞のautophagyを呈す。Autophagyは2型programmed cell deathを伴い、発生過程において重要な役割を果たす。プログラミングによる腎発育異常に関与する可能性が高いと考えられ、ネフロン数減少にmTOR経路の関与が示唆される。平成21-22年度はin vivoで母体低栄養、ステロイド投与により後腎が受ける影響を検討した。母胎に栄養制限またはステロイド投与を行った胎児の新生児早期後腎は大きさ、糸球体の数共に有意に減少し、これら後腎の遺伝子および蛋白の発現を網羅的解析で、発生、シグナル伝達、mTOR経路、細胞増殖、アポトーシス、トランスポーター、イオンチャネルを含む多くの遺伝子・蛋白の発現が変化することを確認した。後腎の免疫組織染色、ウエスタンブロットではmTOR経路、MAPキナーゼ経路が低栄養で初期に抑制、その後活性化され早期の低栄養に対する代償反応を示唆する結果であった。ステロイド投与のmTOR経路への影響は後腎免疫組織染色でmTOR活性の抑制を確認したが、ウエスタンブロットでは有意な結果が得られなかった。平成23年度は、前述の網羅的検索で変化が見られた遺伝子のうち個体発生における重要性が報告されているTBX2を含む複数の遺伝子につきrt-PCRを行ったが、有意な結果は得られなかった。
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