研究概要 |
本研究においては、メラノーマにおける免疫回避機構を明らかにするため、制御性T細胞と腫瘍関連マクロファージに注目して、その局在や頻度、関連するサイトカインに関して研究を進めている。 1.メラノーマにおける制御性T細胞 メラノーマ組織における制御性T細胞の頻度を検討するため,リンパ節転移組織、リンパ節微小転移組織、および転移のないリンパ節における制御性T細胞を制御性T細胞のマーカーであるfoxP3抗体を用いて組織化学的に検討した。その結果、転移のないリンパ節組織にくらべて、リンパ節転移組織とリンパ節微小転移組織においてはfoxP3陽性細胞の頻度が有意に高いことが明らかとなった。この結果より、メラノーマ細胞の存在が、何らかのメカニズムにより制御性T細胞を誘導している可能性が示唆された。 2.メラノーマにおける腫瘍関連マクロファージ 免疫組織化学的に検討を行ったところ、メラノーマ組織においては、母斑組織や正常皮膚にくらべてマクロファージを高率に認めた。これまでに報告がなく、非常に興味深い結果であった。
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