腫瘍関連マクロファージの分布と頻度解析 メラノーマ微小環境に浸潤するマクロファージの新たなフェノタイプ解析を試みた。CD204は、マクロファージスカベンジャーレセプターAとして知られ、種々の炎症におけるマクロファージの機能に深く関与する膜タンパクである。CD204はCD68とは異なる機能のマクロファージを検出するマーカーとして注目されている。このCD204の抗体を用いて組織染色を行った。その結果、色素細胞母斑にはCD204陽性細胞はほとんど見いだされないが、メラノーマの組織には多数浸潤しているのが認められた。興味深いことに、とりわけ、腫瘍の先進部に数多く見いだされた。これは、CD204陽性マクロファージが、がん微小環境における免疫抑制的細胞としてメラノーマの進展に関わっている可能性を確認するものと推察された。 腫瘍関連マクロファージと制御性T細胞の関係 そこで、制御性T細胞のマーカーを用いて、CD204細胞の分布との相関を調べた。その結果、CD204陽性細胞は、制御性T細胞のマーカーであるfoxP3陽性細胞が浸潤する領域に多く分布していることが分かった。これらの結果より、CD204陽性マクロファージが産生するケモカインによって、制御性T細胞が誘導されている可能性が示唆された。
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