研究課題
マウス胎生期の皮膚形成には上皮系と間葉系との相互作用が重要であることが多数報告されている。我々も表皮のみにカテニンを強制発現させる系を用いて、相互作用の重要性を証明した。(Development 2009)また我々は「ヒト成人においても、上皮間葉系相互作用(真皮線維芽細胞がその上にある上反糸細胞に与える作用)により部位特異性(皮膚のさまざまな部位で性質が異なること)を決定付けていること」を実証してきた。(J Biol Chem 2007; Faseb J 2008)手のひら・足のうらの皮膚は、分厚い皮膚で外からの刺激に強い・毛が無い・色素が薄いという3つの特徴があり、手のひら・足のうらの真皮線維芽細胞で強発現しているDKK1の作用であることを報告してきた。今回は、ヒト胎生期においても上皮間葉系相互作用が重要であり、部位特異性があることを証明するために、中絶胎児より皮膚を4ヶ所(頭部、背部、腹部、足底)から生検し、相互作用を調べた。頭部ではメラノサイトの発現が他部位より早く成熟しており、毛包形成数は頭部、背部、腹部の順で多かった。足底には毛包構造が認められなかっだ。メラノサイトの分布も大きく違っていた。マウスにはない毛包間表皮のメラノサイトも発現を認めた。メラノサイトの数も頭部、背部、腹部、足底の順番に多く認めた。真皮内のメラノサイトは染色した抗体(7種類以上)で殆ど認めることがなかった。今後更に解析を進め、相互作用の部位特異性と皮膚形成メカニズムを解析していく予定である。
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