アクアポリン3(AQP3)が表皮細胞増殖を制御し、表皮細胞過増殖をともなう各種皮膚疾患(皮膚ガン、アトピー性皮膚炎)の病態形成に関与している可能性を検証した。培養ヒト表皮細胞を用いた実験から、AQP3を過剰発現させるとは細胞増殖が亢進し、AQP3ノックダウン細胞では、増殖が低下した。表皮細胞過増殖を伴うアトピー性皮膚炎では、AQP3の強発現が確認できた。アトピー性皮膚炎マウスモデルでは、AQP3欠損マウスは、アトピー様症状(過角化、皮膚バリア機能崩壊)を形成不全であった。以上の結果から、表皮細胞のAQP3発現は、細胞増殖を制御しており、表皮細胞過増殖を伴う種々の皮膚疾患の形成に関与することを明らかにした.
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