研究課題
基盤研究(C)
皮膚炎の進展にともなう白血球の皮膚組織への浸潤動態と機能への血小板の役割血小板減.マウスと血小板正常マウスにおいて、ハプテンによる接触皮膚炎の惹起後、経時的に皮膚組織への白血球の浸潤動態をレーザー顕微鏡や二光子顕微鏡によるin vivo imagingを用いて比較検討を行ったところ、惹起から4時間後には血管内において血小板が活性化するとともに白血球と複合体を形成すること、白血球とともに組織に遊走すると、速やかに白血球内に取り込まれ、核周囲にみられることが明らかになった。また、CD11b+Gr-1+の白血球の浸潤も血小板減.マウスでは減.しており、皮膚炎の制御に関わる細胞の皮膚への遊走にも血小板が大きな役割を有していることが推測された。皮膚炎に伴う皮膚組織での樹状細胞の減少に続く再分布における血小板の役割血小板減.マウスでは、接触皮膚炎惹起後の皮膚組織への樹状細胞の再分布が著しく減.していることが、詳細な検討から明らかになった。表皮の樹状細胞であるランゲルハンス細胞は、感作に関して抑制的に作用する可能性が示唆されており、その樹状細胞の組織への分布に血小板が重要な役割を演じている事象の発見は、血小板が皮膚炎の制御において重要であることをまったく新しい側面から理解する上で重要な知見と考えられる。これらのことから、接触皮膚炎において、血小板は皮膚炎の惹起や制御に重要な細胞の組織への遊走に重要な役割を有し、炎症の惹起とともに収束にも関与していることが推測された。
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