研究概要 |
近年美容皮膚科領域において光線機器を用いた皮膚アンチエイジング治療の進歩は著しいが、その医学的エビデンスはまだまだしいのが現状である。 今回我々はDNA修復という観点から、主として可視光線を用いるアンチエイジング治療に関する医学的・科学的エビデンスを得る研究ストラテジー考案した。まず、研究代表者が本邦で唯一保持する紫外線性DNA損傷、酸化的DNA損傷各々の修復機能の評価システムを、研究代表者が長年保管しいている多くの初代培養線維芽細胞(健常人)に応用して、IPL、各色(青、黄、赤色)LED照射による細胞内DNA修復能力への影響(DNA修復能を上げることができるかを検討した。具体的には2種類の実験ストラテジーにより光線(IPL,LED)照射による(A)紫外線性DNA損傷の修復能、(B)酸化的DNA損傷の修復能の定量的変化を種々の正常ヒト皮膚由来培養線維芽細胞を用いて網羅的に解析する。培養細胞としては本研究代表者が保持している健常人由来初代培養線維芽細胞を使用し、光源はIPL用としてキセノンランプ、赤色LED(620~630nm)、黄色LED(590nm)、青色LED(465~470nm)を使用する。DNA修復能の定量化は紫外線誘発もしくは活性酸素誘発DNA損傷を人工的に生じさせたレポータープラスミドの宿主細胞回復能を指標に行う。 その結果IPL、黄色、赤色LEDに酸化的DNA損傷の修復能を増加させる作用が認められ、またMTTアッセイによる評価で赤色LED照射に細胞増殖能の亢進作用を認めた。
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