研究課題/領域番号 |
21591477
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
泉 剛 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (60312360)
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研究分担者 |
山口 拓 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (80325563)
吉田 隆行 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (60374229)
吉岡 充弘 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40182729)
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キーワード | 精神薬理学 / 不安 |
研究概要 |
(1)恐怖条件付けストレス負荷の30分および2時間後に、情動を司る脳部位である扁桃体において、細胞活性化の指標であるCREB/CREM familyの転写因子をウェスタン・ブロッティング法によって定量した。恐怖条件付けストレス負荷の30分後にCREBの発現量は変化なかったが、CREBのリン酸化体であるpCREBは有意に増加していた。他のCREB/CREM familyの転写因子であるCREMやATF-1の発現量に変化はなかった。恐怖条件付けストレス負荷の2時間後にはpCREBの増加の程度は減少していた。これより、恐怖条件付けストレス負荷の30分後に扁桃体において、恐怖記憶にかかわる何らかの遺伝子発現が誘導されている可能性が示唆された。 (2)衝動性の動物モデルである3-choiceに対して、ニコチン受容体のα4β2 antagonistであるdihydro-β-erythroidineを3、10、30μgの用量で脳室内投与したところ、30μgの用量でpremature responseが有意に減少した。α7 antagonistであるmethyllylcaconitineの投与は効果なかった。さらに3-choiceに対するニコチン0.2mg/kg皮下投与の効果が、α4β2 antagonistdihydro-β-erythroidineの腹側内側前頭前野(IL)への6または18μg/sideの局所投与によって拮抗されるかどうか調べたところ、18μg/sideの用量により、ニコチンによるpremature response減少が拮抗された。これより、ILのα4β2ニコチン受容体が衝動性の制御に関わっている可能性が示唆された。
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