研究課題/領域番号 |
21591490
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
井上 雄一朗 奈良県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (40326343)
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研究分担者 |
定松 美幸 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (90252387)
牧之段 学 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00510182)
山内 崇平 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20550817)
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キーワード | オランザピン / 体重増加 / ガラニン / 脂肪細胞 / Olig2 |
研究概要 |
統合失調症の治療薬である非定型抗精神病薬の有用性は確かであるが、同時に体重増加などの副作用に苦しんでいる患者が多数いることも確かである。特にオランザピン、クロザピンの服薬中に体重増加がみられるとの報告が多く、このことは服薬コンプライアンスを著しく低下させる要因となっている。この体重増加の機序については、ヒスタミン受容体やセロトニン受容体への作用によるものであると考えられているが、依然として不明な点が多い。そこで我々は日本国内で使用されているオランザピンによる体重増加の機序を、視床下部と脂肪組織でのガラニン発現未分化細胞の増殖という点に注日した。本研究は、オランザピンによる食欲増加、体重増加についての関わりを、これまでの薬理学的なアプローチとは異なる解剖学的なアプローチにより研究するものであり、ガラニンを発現する増殖性の前駆細胞の重要性を明らかにすることで、精神医療に加えて、成人病、メタボリック症候群などの予防にも寄与することを目的としている。現在、Ara-C投与後マウスの解析をさらにすすめている。Ara-Cを側脳室内へ2週間持続投与し、その後2週間を経過した脳、腹腔内脂肪を採取し、それぞれDifferential Display Kit(TAKARA)を用いて因子の動態を網羅的に解析する。これにより得られた知見の背景を探ることが可能であるし、また未知のシグナルの動きを確認することができると考えている。
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